暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーAP
暗闘編 ヘレン・アーヴィングという女 後編
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
手加減して無力化することも出来たのだろう。警察官達を守ろうとするあまり、本気の蹴りで首をへし折ってしまった時の嫌な感覚は、まだ片脚に残っている。ヘレンは独り、自分の非力さをぼやいていた。

(それでも……今は、失ったものを数える時間も惜しい。今はただ、前に進んで行くしかない。その分だけ、きっと救える命がある)

 だが、その気持ちを抱えたままでも今は戦わねばならない。居なくなった人間にいつまでも縋っていては、成長など出来るはずもない。
 何より、自信の無さを理由に足を止めていては、その間に人が死ぬ。それこそノバシェード対策室の特務捜査官として、あってはならない失態なのだ。

(……それで良いのよね? 真凛)

 そんな師の教えを心の奥底で唱えつつ、ヘレンはゆっくりと顔を上げ――朝陽に彩られた森林地帯の景色を見つめる。決意に満ち、凛としている彼女の貌は、一人前の特務捜査官に相応しい気高さに溢れていた。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ