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星河の覇皇
第八十四部第一章 梟雄の復活その四十一

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「一つ思うことがある」
「と、いいますと」
「それは一体」
「何でしょか」
「やはりアッディーン大統領は強い」
 敵である彼のことも言うのだった。
「非常にな」
「名将ですね」
「そう言うべきですね」
「その言葉に相応しい方ですね」
「名将ではない」
 シャイターンは周りのその言葉を否定した。
「より上だ」
「と、いいますと」
「名将より上といいますと」
「それは」
「英雄だ」
 こちらになるというのだ。
「名将という器では収まらない」
「あの御仁は」
「そこまでの方ですか」
「そうなのですか」
「そうだ、英雄だ」
 まさにとだ、シャイターンは言い切った。
「彼はな、英雄に対することが出来るのはだ」
「英雄ですか」
「英雄には英雄ですか」
「英雄のみが英雄に対することが出来ますか」
「そうだ、アレクサンドロス大王に対することが出来た者はいなかった」
 その頃はというのだ。
「ペルシアにもギリシアにもな」
「そしてインドにもですね」
「英雄はいなかったですね」
「ポールス大王は強かったですが」
「流石に敵いませんでしたね」
「やや落ちた」
 そのポールスもというのだ。
「戦いの後でアレクサンドロス大王の友となったが」
「どうしてもですね」
「あのアレクサンドロス大王には」
「及ばず」
「それで、ですね」
「彼に敵う者はおらず」
 それでというのだ。
「彼はあれだけの大帝国を築けた」
「三十三歳の若さでこの世を去るまでに」
「それまでにですね」
「そうなりましたね」
「そうだ、そして今はだ」
 今のサハラではというと。
「アッディーン大統領と戦えるのはな」
「閣下ですか」
「閣下だけですか」
「そうなりますか」
「そうだ、だからだ」
 シャイターンは進みつつさらに言った。
「我が軍は敗れた」
「国境でも防衛ラインでも」
「そうなったのですね」
「閣下がおられなかった」
「その為に」
「今問題となっている奇襲が成功してだ」
 そうしてというのだ。
「そうなった、しかしな」
「閣下が戻られる」
「英雄が」
「それならばですか」
「また言うが英雄に対することが出来るのは英雄だけだ」
 シャイターンは再びこの言葉を出した、言葉には揺るぎないものがありそれが自信であることは明かだった。
「だからその攻撃もだ」
「閣下はですね」
「破られて」
「効果がない様にする」
「そうされて」
「そのうえでアッディーン大統領と対し」
 そしてというのだ。
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