290 掃除の多忙化
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凄い食べっぷりだね・・・」
「うん、大盛りにしてくれって頼んだのにお代わりするなんてね・・・」
たまえととし子は小杉の恐ろしい食欲に今日も驚くのだった。
「おい、小杉、自分だけお代わりするなんてずりーぞ!」
「俺も唐揚げ貰うぜ!」
他の男子達も食い下がらない。お代わり合戦となった。
午後の授業も終了し、帰りの学級会が始まった。その時、掃除係の前田ひろみが立ち上がり、前に出た。
「掃除係からのお願いです!最近掃除をサボる人が多いです!ただでさえ今人がいないので掃除の時間を増やします!」
「はあ!?」
「冗談じゃねえぜ!」
「私、ピアノのお稽古あるのに増やされたら遅刻しちゃうわ!」
多くの生徒達が文句を言った。まるでデモのようだった。
「仕方ないでしょ!!ただでさえ休んでる人が多いんだから!!掃除当番が人手不足で片付かないんだよ!!」
前田も逆切れした。
「だからってアンタ達掃除をしなきゃいいって思ってるんじゃないでしょうね!?何が何でもやってもらうよ!!」
「勝手に決めるなよ!」
この論争は終息しそうにない。
(ど、どうしよう・・・!?)
たまえはこの場をどう治めるか自分には考えが出てこなかった。
「ちょっと、丸尾君、アンタ学級委員なんだからどうにかしてよ!!」
「え!?わ、ワタクシがですか!?」
丸尾は急に自分に振られて気を取り乱した。
「あ、いや、その・・・!?」
頼みの綱であるはずの学級委員でさえも最善の策が思いつかなかった。
「まあ、まあ、皆さん、落ち着いてください」
戸川先生が立ち上がった。
「確かに今は欠席者が多いので掃除の人手不足に困る前田さんの気持ちも解らなくはないですが、前田さんも自分の決めた事を皆に決めて押し付けるのもいけませんよ」
「う・・・」
「掃除当番を決めるよりも皆でやった方が早く終わるでしょう。ただし、さぼってはいけませんよ」
「は、はい・・・」
「ちっ、しょうがねえなあ」
男子の一人が文句を呟きながらも掃除は全員で行うという事で決定となった。そして皆で掃除が始まる。
「それじゃあ、箒と塵取り持ってって!足りなくなったら後は皆雑巾がけと窓拭きだよ!」
前田のてきぱきな指示(ただし、端から見ると怒鳴り散らしているだけにしか聞こえなくもないが)で掃除はいつもよりは早く終わった。
「よし、皆、やればできるじゃない!!明日からもこの調子で皆で掃除やるよ!」
前田は掃除が捗ったからか気分が良かった。
「たまちゃん、帰ろうか・・・」
「うん・・・」
たまえととし子は共に下校した。
「これじゃあ、暫く毎日掃除になりそうだね」
「うん、前田さん、掃除に関しては凄く厳しいからね・・・」
「でもまるちゃん達、ある意味楽かもしれないよね」
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