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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第156話:知られざる父の姿
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臭い事を繰り返しているのねッ!」
無邪気な、だがそれでいて何処か小馬鹿にしたような事を口走るティキだったが、サンジェルマンは特に気にした様子を見せない。だって今目の前に居るのはただの人形。動きや仕草は人間そのものだが、それは所詮作られた紛い物でありそうあれかしと作られただけの事なのだ。そんな相手にいちいち怒っていては疲れるだけである。
尤も、サンジェルマンが多少の嫌味や皮肉を気にも留めない、冷静な心の持ち主と言う事も否定できない事実なのかもしれないが。
「良かった、元気そうでッ!」
「……お前も変わらないのね、ティキ……」
とは言え再会は喜んでくれているようなので、それには素直に乗っかっておく。作り物であっても、やはり旧知の者との再会は嬉しくない訳では無い。
一頻り互いの再会を喜んだティキだったが、何かに気付いたように周囲を見渡し始めた。
「ん? ううん? ところでアダムは? 大好きなアダムが居ないと、あたしはあたしでいられないッ!」
突然駄々をこねる子供の様に騒ぎ始めるティキ。
するとまるでそれを待っていたかのように、風がカーテンを開きベランダの外の光を室内に入れる。そしてそのベランダの手摺の上には、何時からそこにあったのか古めかしいアンティークなダイヤル式の電話機が置かれ着信音を鳴らしていた。
何も知らない者からすれば不気味な怪奇現象に等しい状況に、しかしティキは不思議そうな顔をするだけでサンジェルマンに至っては全く気にした様子を見せない。それどころか、彼女は着信音を鳴らす電話機に近付くと普通に受話器を取り耳に当てた。
「局長……」
「えッ!? それ何ッ!? もしかしてアダムと繋がってるのッ!?」
サンジェルマンの口にした言葉から、ティキはそれが自分の求める人物と会話できる道具と理解し受話器を受け取った。ただ使い方は分からなかったようで、手の中の受話器を数回くるくる回した後本来耳を当てる部分に口を近付けて話し掛けた。
「アダム……居るの?」
『久し振りに聞いたよ、その声を』
受話器から聞こえてくるのは年若い男の声。この声の主こそ、サンジェルマンが局長と仰ぐパヴァリア光明結社の局長であるアダム・ヴァイスハウプトであった。
受話器から聞こえてくるアダムの声に、ティキも漸くこれの正しい使い方が分かったようで声の聞こえる方を耳に当てマイク部分を口に近付けて嬉しそうに話し始めた。
「やっぱりアダムだッ! あたしだよッ! アダムの為なら何でもできるティキだよッ!」
『姦しいな……相変わらず。だけど、後にしようか、積もる話は』
「アダムのいけずッ! つれないんだからッ! そんなところも好きだけどねッ! んッ!」
やんわりとサンジェルマンに受話
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