289 屋敷での手がかり
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「藤木君っ!?」
りえは藤木が泣いているのが解った。
「来ないでくれよ」
「えっ?」
「君は僕が嫌いだったんだろ?もういいよ、どこにでも行ってくれ!」
「そんな、私、藤木君が嫌いなわけじゃっ・・・」
「何言ってんだい!?最初紂王さんの屋敷に来て貰った時も嫌がってたみたいだし、それに折角結婚式を挙げてからやっと僕を好きになってくれたと思ったのに・・・!?何で僕が嫌になったんだよ!折角僕の唯一の取り柄のスケートを見せる事ができたってのに!あれは演技だってのかい!?」
「演技・・・!?」
「もういいんだ、恋なんてしないよ・・・!!僕は誰が好きになっても皆嫌われるんだ!!」
「そんな、私は嫌ってるわけじゃっ・・・」
藤木の姿が見えなくなる。りえも頭の中が真っ黒になった。
りえは目を開けた。レーニンの威圧の能力で気絶させられて暫く意識を失っていたのだった。ここは自身が軟禁された部屋や藤木と二人で過ごしていた部屋とも異なる個室だった。
(私はあの屋敷から杉山君によって連れ出されて・・・)
「よう、りえ、気が付いたか」
その場には杉山がいた。
「杉山君っ・・・!!」
レーニンの姿ではなかった。
「ここはどこなのっ!?」
「さっきの紂王の屋敷よりも北の方さ。藤木はお前を取り返そうとしている奴に引き渡そうとしてたが、俺はお前にやって欲しい事があるんだ。それに付き合ってもらうぜ」
「やって欲しい事っ・・・!?」
りえにとって杉山が何を要求するのか、解ったものではなかった。
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