289 屋敷での手がかり
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ちに来てからは弾いてないわ]
(りえちゃんと藤木君の会話か・・・)
まだ長山は能力を使用し続ける。
[皆様、お越し頂きありがとうございます。それでは新郎新婦の結びをお楽しみください。新たなお嫁さんとお婿さんのご入場です!]
聞き慣れぬ声だったがこの屋敷の人間の声だと長山は察した。おそらくりえはここで藤木と無理矢理結婚ごっこをさせられていたのかと長山は推測した。そして別の声が聞こえた。
[ところで例の杯はそっちで保管しているのか?]
[はい]
(杯?ここに杯はあったのか!?)
長山は杯という言葉を聞いて驚いた。そしてよく耳を澄ます。
[煬帝殿、これを一旦貴様に預けておこう。もし危機を感じたら別の物に譲渡するのだ]
[ああ、解った]
長山は決定的な会話を聞きつける事ができたと確信した。
「・・・、何が解ったんだ?」
尾藤が聞いた。
「杯が何処に行ったかだよ」
「え!?」
「それで何て聞こえたの?!」
さりが落ち着きを失い、質問した。
「煬帝って人に渡されたみたいなんだ!」
「そっか、私、従弟や姉貴に連絡するわ!」
さりは通信機を取り出した。
「こちら羽柴さり!健ちゃん、湘木君、冬田さん、聞こえる?」
『はい、どうしました?』
三河口が応答した。
「今かよちゃんが戦ってたっていう場所にいるんだけど長山君の眼鏡で調べて貰ったらね、ここの屋敷の人は杯を煬帝って人に渡したらしいわ!」
『煬帝に!?ありがとうございます!俺達も丁度その煬帝ってのを手掛かりに動いていた所でしたからありがたい情報です!ゆりちゃん達にもお教えしておきます!』
「いいの、うん、ありがとう」
連絡が終了した。
(健ちゃん、頑張って・・・!!)
護符の所有者は従弟を応援するのだった。
かよ子達は北の方角へと進む。
(折角藤木君を取り返すチャンスだったのに失敗しちゃった・・・。また振り出しか・・・)
「それにしても長山からの連絡遅いブー」
「もしかしたら長山の方も敵と戦ってる所でそれどころじゃないのかもしれねえぜ」
大野が推察した。
「うん、そうかもしれないね・・・。そういえば長山君もなんだかんだで向こうにも狙われてたんだっけ・・・?」
かよ子は思い出した。長山がオリガという女性に連れて行かれそうになった日を。
「そうだったなブー・・・」
「私も探してみるわよ」
のり子は人形を利用した。
「本当にできるのかブー?」
ブー太郎は聞いた。
「探知ぐらいできるわよ!」
キャロラインは不機嫌に答えた。人形が探知作業を始める。
「・・・方角は変わってないわ。そのまま安心して進んで」
「うん、ありがとう」
藤木救出班はそのまま北へ進む。
りえは夢を見ていた。その場には藤木がいた。
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