希望じゃない
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げる。
「おいおい、いきなりあんまりじゃないか、士」
殴られた部分を抑えるが、士は海東を見ることもない。洗脳された彼は、ずっとハルトと真司を睨んでいた。
「ハルト、アイツも参加者か……?」
「ああ。ソロと同じ、一人で参加しているんだって」
「それじゃあ、ソロと同じ……戦いに参加しているのか……!?」
「いや、今のアイツは洗脳されてる。それさえ解ければ、戦う相手じゃないよ」
『ドライバーオン プリーズ』
ハルトはそう言いながら、ウィザードライバーを腰に出現させる。
「だから、戦うのは今だけ。殴って正気に戻せれば、もう戦うことはないだろうから」
「そっか……よし! だったら俺もやってやるぜ!」
頷いた真司もまた、カードデッキを掲げる。すると、彼の戦いの象徴であるVバックルが、その腰に装着された。
『シャバドゥビダッチヘンシーン シャバドゥビダッチヘンシーン』
「「変身!」」
ハルトと真司は同時にそれぞれのベルトに、戦いの力を作用させる。魔法陣と鏡像が、その持ち主を生身の人間から、仮面ライダーへと作り変えていく。
『フレイム プリーズ ヒー ヒー ヒーヒーヒー』
そうして完了する、ウィザードと龍騎への変身。
「っしゃあ!」
気合を入れる龍騎を横目で見ながら、ウィザードは士の動きを静観する。
士はしばらくウィザードと龍騎を睨み、ディケイドライバーを取り出した。
ディケイドライバーが腰に巻き付くと同時に、カード___ではなく、別のアイテムを手にした。
分厚いスマートフォンにも見えるそれ。ディケイドを思わせるマゼンタカラーのその内部に、士はIDカードを差し込んだ。
そして。
『クウガ アギト 龍騎 555 ブレイド 響鬼 カブト 電王 キバ』
士は次々とその画面に記される紋章をタッチしていく。
腰に付けたディケイドライバー、そのメイン部分であるマゼンタのカメラ部分を取り外し、それを右腰に付け替えた士はその機械___ケータッチを、ベルトの中心部分に装着した。
そして。
「変身」
『ファイナルカメンライド ディケイド』
すると、士の姿が新たなディケイドの姿へとなっていく。
それまでのディケイドがマゼンタをメインとしたものならば、今のディケイドは黒い下地に銀をメインにしたもの。
だが、なによりも目立つのは、その胸部分。ディケイドがそれまで使用したもの、使用していなかったもの。合計九枚の仮面ライダー___驚いたことに、その中には龍騎のカードもある___が並んでいた。
「何だ、あの姿……?」
ウィザードが思わず言葉を失うほど、そのディケイドの姿は奇天烈なものだった。
ディケイド コンプリートフォーム。
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