別世界よりE
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力を凌駕してし、時間を持て余し始めたのだ。
そうなると父親と違って真面目なリュリュは、共に国を支える相方ポピーが忙しいのに、自分が何もしていない事に負い目を感じ、事ある毎に「ねぇポピーちゃん…私も何か手伝うわ。私に出来る事はない?」と、ポピーの手を煩わせ始めた。
最初の内はポピーもリュリュの性格を分かっており、気を使ってくれる事を嬉しく思っていたのだが、回数を重ねる毎に、忙しい自分を煩わせる事に苛つきを感じ『うるせー!お人形さんは黙って座ってろ!』と言いそうになっていたのだ。
しかし暴言をグッと飲み込み、リュリュに出来る事を考える優しいポピー。
素人に仕事を教えるには、教える側もある程度時間が空いてないと教える事も出来ない。
しかしながら現状でポピーは、オジロンに次ぐ忙しさを維持しており、政務について基本から教える事など出来る状況ではない!
臨時の女王ではなく、正式に王位を継ぐのであれば、皆が協力して教育に時間を割くのだが、明日にでも臨時女王が不要になるかもしれない今、その為に時間を割くのは惜しいのだ。
そこでポピーは考えた。
尊敬する父(リュカ)ならどうするのか…
偉大なる父(リュカ)はどうしてたのか…
「リュリュ…貴女に重要な仕事を任せるわ。お父さんと同じ事をしてちょうだい」
「お父さんと…同じ事…?浮気をしろって事?」
真面目な表情のポピーを前に、小首を傾げて尋ねるリュリュ。
ポピーは思う…自分が男だったら、間違いなく押し倒してる…
「そうじゃないわよ!アンタお父さんの事そういう風に見ていたのね!?」
「だ、だって…お父さんと同じ事って言われたら…一番最初に思うのが、愛人の多さでしょ!」
「力一杯否定出来ないのが腹立つ親父ね………そうじゃなくて、リュリュにも城下を見回って欲しいの!」
「城下を?……お父さんってそんな事をしてたんだ!?」
リュカの新たな一面を垣間見て、更なる尊敬を心に宿すリュリュ。
ポピーには、父の事を全て知らないのに、変態的なまでのファザコンになれるリュリュが不思議でしょうがない。
とは言え、暇を持て余すリュリュに役目を宛え、カリスマ性を最大限に活用する事が出来た。
こうして代理女王に就いたリュリュは、ほぼ毎日城下町を散策する事で、国民の信頼を得る事が出来たのだ。
リュカの様に改革を行う事が出来なくとも、リュカの様に民を幸せにする事が出来なくとも、国民と共に歩むという姿勢を見せる事で、人々は安心して国家に身を委ねるのだ。
そして初めて城下散策してから数ヶ月が過ぎたある日…
その日も夕方まで城下を散策していたリュリュが、城へ帰るなりポピーとマーサに呼び止められる。
「リュリュ、お父さんの執務室まで来て!」
マーサの瞳に絶望が漂い、ポピーの顔にも困惑が見え
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