第八十一話 甲子園へその六
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「けれど本拠地でね」
「巨人をコテンパンにやっつけて」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「成績も上げる」
「チームも選手の人達も」
「そのチャンスよ、阪神は他のチームにも強いけれど」
「巨人には特にだし」
「もうここぞとばかりにね」
「成績上げるのね」
「投げて打って」
そしてというのだ。
「まさにね」
「徹底的になのね」
「倒すのよ、そしてその阪神をよ」
「その目で観ることね」
「そうしてきなさい、本当に久し振りだしね」
母は一華のこのことも言った。
「だからね」
「行って来いっていうのね」
「そうしてきなさい」
「それじゃあね」
最後は明るい声のやり取りになっていた、そのやり取りの後で一華は達川に携帯で両親も許可を出してくれたことを伝えたが。
するとだ、彼もこう言ってきた。
「うちも言っていってくれたよ」
「じゃあ二人で行けるわね」
「うん、けれどね」
達川は難しい声でこうも言った。
「一ちゃんは大事にしろってね」
「そう言われたのね」
「危ない目にはね」
絶対にという口調だった。
「遇わせるなってね」
「私も言われたわ、危ない目にはね」
「一ちゃんもなんだ」
「自分から行くな、避けろってね」
「じゃあお互いにかな」
「気をつけろってことね」
「そうだね、俺一応ブザー持ってるけれど」
達川は自分のことも話した。
「甲子園にも持って行くよ」
「ブザー私も持ってるわ」
一華も応えて言った。
「それとね」
「それと?」
「スタンガンもね」
「それもなんだ」
「どっちもお父さんとお母さんが買ってくれたの」
「そうだったの」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「持って行くわ」
「どっちもだね」
「それで出来るだけ人気の多いところを通って」
「寄り道しないでね」
「それでね」
一華はさらに話した。
「電車の中で」
「出来るだけいた方がいいね」
「流石に電車の中だとね」
「昔のニューヨークの地下鉄と違って」
「安全だからね」
日本の電車の中はというのだ。
「そこにいた方がいいわね」
「行きと帰り両方」
「甲子園ならね、阪神電車だとね」
「もうすぐだしね」
「じゃあその時は八条鉄道じゃなくて」
いつも二人が登校等で利用しているだ、それで二人共定期を持っていて金もその分だけしかかかならないのだ。
「阪神で行く?」
「そうした方がいいね」
達川もそれはと返した。
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