第八十一話 甲子園へその三
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「すぐにね」
「お互いの球場行けたわね」
「大阪も西宮も藤井寺も」
どの球場もというのだ、令和になった今ではどの球場も存在していない。今は昔のことになっている。
「すぐにね」
「行けたから」
「もうね」
「楽だったわね」
「けれど阪神は」
翻ってこのチームはというのだ。
「関西に同じリーグのチームなくて」
「東京とか名古屋とか広島とか」
「離れてたからね」
どのチームもだ。
「カープが一番近くても」
「広島も岡山越えてで」
「そうしないと駄目だから」
行き来が出来ないからだというのだ。
「やっぱり遠征になるから」
「疲れたのよね」
「それで疲れが溜まって」
そしてというのだ。
「調子落としたんだよね」
「そうよね」
「それに対して巨人は」
邪悪の限りを尽くしてきたその名前自体が悪徳の象徴であると言っていいおぞましいこのチームはというと。
「ヤクルトとか横浜とかはね」
「同じ関東だしね」
「これはヤクルトと横浜もだけれど」
「本拠地にいて行き来出来るからね」
「楽だよ」
「そうなのよね」
「このことは昔のパリーグの在版球団と同じだよ」
その条件はというのだ。
「本当にね」
「そうなのよね」
「しかもね」
達川はさらに話した。
「あそこで高校野球やらないから」
「そのことも大きいわよね」
「断然ね」
「何か阪神だけハンデ大きいわね」
「全くだよ、けれどね」
「最近はね」
「阪神選手層が分厚くなったし」
まずこのことがあるというのだ。
「ソフトバンク以上にね」
「そうでね」
それでというのだ。
「疲れた選手がいても」
「交代してね」
「また凄い選手が試合に出るから」
「どんどんね」
「むしろ夏場以降はそれまで二軍にいた」
「若手の人が抜擢されて活躍する」
「そうした時で」
それでというのだ。
「楽しみな時でもあるよ」
「ベンチにいた人が活躍したり」
「そうもするし大体ね」
「元々今の阪神の選手体力あるし」
「頑張ってくれる人もいるから」
「戦力落ちないわ」
一華は笑顔で話した。
「有り難いわよね」
「そう、あと最近移動も楽になったし」
昔と比べると、というのだ。
「新幹線でね」
「すぐよね」
「ホテルも設備も整って」
「疲れも取れて」
「遠征先で相当遊び続けないと」
そうでもしないと、というのだ。
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