第八十一話 甲子園へその二
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「それでね」
「だったらね」
「外野席でもいいんだ」
「いいわ、しかし私阪神の試合行くの久し振りよ」
「そうだったんだ」
「野球の試合行くこと自体がね」
それ自体がというのだ。
「久し振りなのよ」
「そうだったんだ」
「だからね」
それでというのだ。
「嬉しいわ、しかも達川君と一緒だし」
「俺も?」
「そう、一緒だからね」
それでというのだ。
「余計にね」
「そう言ってくれた嬉しいよ、じゃあね」
「一緒に行きましょう」
「そうしようね、それとね」
「それと?」
「いや、阪神って毎年夏はね」
この季節はというのだ。
「甲子園が終わったら調子がね」
「落ちてたわね」
「昔はね」
「そうだったのよね」
「それまでは調子がよくても」
チームのというのだ。
「けれどね」
「甲子園がはじまって」
「甲子園が使えなくなってね」
本拠地であるこの球場がだ。
「それでね」
「遠征ばかりになって」
「夏の暑い時に」
まさにこの季節にだ、暑さによって疲労が蓄積するだけでなくペナントが進みそうなってくる季節にだ。
「そうなって」
「それで疲れてね」
「秋になってもね」
「その疲れが抜けないでね」
「肝心の終盤戦にね」
秋のそれにというのだ。
「負ける様になって」
「毎年負けてたのよね」
「それまで調子がよかった選手も」
まさに甲子園がはじまるまではだ。
「そこからね」
「調子落としてね」
「それでね」
「毎年優勝逃してたのよね」
「そうだったんだよね」
「それが変わったのよね」
「甲子園は使えないけれど」
このことは変わらないがだ。
「今は京セラドームも使える時あるし」
「大阪のね」
「西宮と大阪ならね」
甲子園球場は西宮市にある、それでそこから大阪に行くというのだ。
「すぐに行けるから」
「あまり疲れないのよね」
「昔のパリーグだったら」
達川はそちらの話もした。
「南海、阪急、近鉄でね」
「三つ共親会社鉄道会社でね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「遠征とかになっても」
「お互いの試合だとね」
「もう本拠地にいてもね」
「楽に行けるわね」
「もうバスでね」
それを使ってというのだ。
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