第八十一話 甲子園へその一
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第八十一話 甲子園へ
一華はこの時部活を終えて家に帰ろうとしていた、それで団地の最寄りの駅に降りたその時にだった。
達川と会った、そこで二人で挨拶をしてだった。
一緒に団地まで歩いていたがここで達川は一華に言った。
「今度甲子園行かない?」
「甲子園?」
「そう、甲子園球場にね」
こう言うのだった。
「あそこにね」
「高校野球?」
「いや、そっちはいつも満員だから」
「行けないのね」
「それが終わって」
それでというのだ。
「その後の」
「あっ、阪神の試合ね」
「甲子園に戻って」
そしてというのだ。
「はじめての試合だけれど」
「相手何処?」
一華は達川にこのことを問うた。
「それで」
「巨人だよ」
「ああ、今年も最下位の」
「昨日シーズン九十敗目いったね」
「今年も百敗間違いなしね」
「その巨人がね」
まさにというのだ。
「今度の相手だよ」
「じゃあ三塁側も阪神ファンで一杯ね」
「巨人人気ないからね」
今は十二球団最低の人気を誇っている。
「それでね」
「そうよね、それに巨人相手だとね」
「絶対に勝てるね」
「今シーズン巨人には一敗だけよね」
「そうだよ、むしろの一敗したのが」
このことがというのだ。
「奇跡だったよ」
「そう言っていい位よね」
「その巨人が相手の試合だけれど」
「ええ、阪神が勝ってね」
一華はそれならとだ、達川に話した。
「巨人が負けるなら」
「それならだね」
「観たいわ、それじゃあ」
「行く?チケットもあるし」
「二枚なのね」
「実は両親が行くつもりが」
それがというのだ。
「二人共親戚のお家に急に行くことになって」
「その日に」
「それでなんだ」
だからだというのだ。
「よかったらって思って」
「それじゃあね」
「一緒にだね」
「行かせてもらうわ、それで何塁側?」
「外野なんだ」
「そっちなの」
「一塁側の方がよかったかな」
達川は一華に問うた。
「そっちの方が」
「いや、別に」
「いいんだ」
「だってそこも阪神ファンが占領してるでしょ」
「もう巨人の試合だとね」
「ドームでも阪神ファンで一杯になるしね」
このおぞましい巨人の本拠地でもというのだ。
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