第百二話 終わりゆく夏その六
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「しっかりやっていってね」
「わかったわ、夏は涼しくで」
「冬はそうしてね」
「そうするわね」
咲も頷いた、そうしてだった。
二人でこうした話をしながら高級住宅街を歩いて回った、そのうえで咲は愛にこんなことを言った。
「お家だけでなく観る人の服もね」
「違うわよね」
「これが高級住宅街ね」
「ええ、私もね」
愛もこう返した。
「それをね」
「実感してるのね」
「凄くね」
「やっぱりそうなのね」
「ええ、これがお金あるってことね」
「格差社会とか?」
「いや、格差社会ってね」
咲が今言った言葉にだ、愛は言葉を返した。
「日本は然程ね」
「ないのよね」
「実はね」
「これ言う人気をつけてね」
「格差社会って」
「言う人見たら」
それならとだ、愛はさらに話した。
「北朝鮮好きだったりする運動家とか」
「そんな人で」
「これそのまま共産主義だから」
「ああ、あの」
「共産主義っていうとソ連でしょ」
「そうよね、それで共産主義国家って」
咲はどうかという顔で応えた。
「ソ連でスターリンがね」
「ヒトラーと同じだったでしょ」
「とんでもない独裁者でね」
「それでポル=ポトとかね」
今度はカンボジアの陰に隠れた独裁者の話をした、彼の存在は実は当時国王ですら知らなかった程隠れたものだったのだ。
「それで北朝鮮よ」
「あの国ね」
「北朝鮮はそもそも共産主義じゃないと思うけれど」
世襲で階級がある、それで何処が共産主義かというのだ。
「兎に角ああした国の言葉で」
「あまり信用出来ないのね」
「どの国でも収入って違うじゃない」
「お仕事でね」
「これはもうどうしてもね」
人間社会ではというのだ。
「あるから」
「そうよね」
「サラリーマンや公務員の人と社長さんとかだと」
「違うのも当然ね」
「それで格差社会って言うと」
それならというのだ。
「もうね」
「共産主義ね」
「だから」
それでというのだ。
「もうこんなこと言ったら」
「どうしようもないわね」
「それで収入が違うとね」
「服やお家も違うわね」
「問題は悪いことして儲けてる場合で」
これはアウトだというのだ。
「ちゃんとお仕事して稼いでいたら」
「いいのね」
「そうよ、だから格差社会って言葉はね」
「気をつけることね」
「共産主義の方がね」
愛はさらに言った。
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