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ドリトル先生と桜島
第三幕その三

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「奇麗で絵になって」
「それでいて複雑で」
「通るのが難しい」
「そうした迷宮だね」
「瀬戸内海はね、そしてこの海をね」
 観れば海上自衛隊の護衛艦も海の上にあります、グレーのカラーリングが青い海と空の間に映えています。
「海上自衛隊の船がいつも行き来していて」
「かつては帝国海軍だね」
「あの軍隊の船が行き来していたんだね」
「そうなんだね」
「大和だってね」
 この戦艦もというのです。
「呉が母湊だったから」
「この海を行き来していて」
「その姿を見せていたんだ」
「物凄く大きくて恰好いい」
「雄姿と言っていいけれど」
「そう、それを見せてね」
 そうしてというのです。
「この海にあったんだ」
「そうだったんだね」
「かつては」
「何かそう聞いたらね」
「大和の姿を想像してしまうわ」
「あの雄姿をね」
「僕もだよ」
 先生は笑顔で言ってでした。
 そのうえで皆で海を観てでした、お昼は食堂で食べましたが。
 シーフードサラダに貝と玉葱のスープ、シーフードパスタに牡蠣フライに神戸牛のヒレステーキ、柚子のシャーベットにパンそして白ワインといったメニューでした。
 そのお昼を食べてです、先生は笑顔で言いました。
「いや、どれもね」
「瀬戸内のメニューだね」
「柚子もそうで」
「神戸牛も含めて」
「全部そうだね」
「うん、これはいいよ」
 皆に白ワインも楽しみつつお話しました。
「瀬戸内はいいね」
「食べものもね」
「景色は奇麗で」
「素敵な海だね」
「通ることは難しくても」
「それでもね、それでね」 
 先生はさらに言いました。
「何でもディナーはビュッフェだけれど」
「そちらも楽しみだね」
「今だって普通に美味しいし」
「瀬戸内の幸を使ってもので」
「シェフの人の腕もいいし」
「期待出来るよ」
 先生はスパゲティを食べつつ言いました、濃厚なトマトと生クリームのソースの中に大蒜と唐辛子、それに魚介類があります。
「そちらも」
「そうだよね」
「じゃあどんどん食べていこう」
「今日もね」
「食べ終わったら景色を楽しんで」
「それでディナーもね」
「あとね」
 先生は皆にお話しました。
「学問もね」
「そうそう、本持って来たし」
「ノートパソコンだって」
「学問も楽しむね」
「先生としては」
「そうするよ」
 是非にというのです。
「この度はね」
「そうだよね」
「先生としてはそうするね」
「そしてそのうえでだね」
「鹿児島までの船旅を楽しむね」
「そうするよ、いや、最初から素敵だよ」
 先生はこうも言いました。
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