第三幕その五
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「今はな」
「違ってだね」
「仲直りをしてな」
そうしてというのです。
「楽しくじゃ」
「過ごしているんだね」
「ねねと一緒にな」
「ああお前さんお客さんだね」
ここで、でした、
秀吉さんよりさらに小さい人懐っこい感じの中年の女の人が出て来ました。着ている服は奇麗な着物ですがとても気さくな感じです。
「言ってくれたらよかったのに」
「ははは、忘れておった」
「全く、困るよ」
「済まぬ済まぬ、こちらがねねじゃ」
秀吉さんは皆に笑って応えました。
「わしの女房じゃ」
「はじめまして、ねねよ」
ねねさんも皆に笑顔で挨拶をします。
「こっちの世界でもこの人の女房だよ」
「いつも飯を作ってくれてじゃ」
秀吉さんは笑顔でお話します。
「特に漬けものが絶品じゃ」
「あの、お漬けものっていますと」
そう聞いてです、クッキーは秀吉さんに尋ねました。
「日本の」
「うむ、塩を使ったな」
まさにとです、秀吉さんは笑顔で応えました。
「それじゃ」
「それをですか」
「作ってくれてな」
「毎日ですか」
「食しておる、臼で轢いた米や麦飯と一緒にな」
「随分質素ですね」
「いや、美味いものは大好きじゃ」
それはとです、秀吉さんはクッキーに答えました。
「何でもな、しかし家に戻るとな」
「そうしたものがですか」
「食べたくなってのう」
それでというのです。
「家つまりこの城じゃな」
「大阪城ではですか」
「いつもじゃ」
笑顔のままお話します。
「食べておる」
「そうなんですね」
「漬けものにな」
「臼で轢いたお米と」
「轢き米とな」
秀吉さんはそのお米の名前も言いました。
「若しくは麦飯じゃ」
「そうしたものをですか」
「食しておる、あとおなごも好きじゃぞ」
笑ったままこうも言う秀吉さんでした。
「実にな」
「あの、それは」
「はっはっは、オズの世界では見るだけじゃ」
自分のお話にどうかというお顔になったクッキーにです、秀吉さんは今も気さくに笑って答えました。
「おなごはな」
「そうですか」
「毎日この街それに殿や織田家の同僚と楽しくな」
「遊ばれて」
「美味いものを食ってな」
そうもしてというのです。
「楽しんでおる」
「そうなのですね」
「今のわしはな」
「そうですか」
「それでじゃ」
秀吉さんはさらに言いました。
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