第十五章
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「俺は人間になった。若しかしたら御前もまた」
「始・・・・・・」
「俺は正直今ほっとしている。御前が戻ってきてくれたことに。これは人間の心だな」
「そうだ、それが人の心だ」
剣崎もそれに応える。
「始、御前は完全に人間になった。御前はもうジョーカーじゃない」
「ああ」
表情を変えずにその言葉に頷く。
「そして俺は。ライダーとして運命を変える」
「行くぞ、その運命を変える戦いに」
「わかった」
二人は頷き合う。戦いに向かう決意を固めて。
翌日ライダー達は青年達に導かれハカランダを出た。残ったのは栞と虎太郎、そして真理と啓太郎であった。
「まさか剣崎君が戻って始さんが人間になれるなんて」
「いや、オルフェノクがそんなふうに生まれたなんて」
虎太郎と啓太郎はハカランダの中で驚きを隠せないでいた。
「何もかもがとんでもない話だよね」
「うん、けれどさ」
虎太郎は牛乳を飲みながら述べてきた。見ればその顔は笑顔であった。
「今の剣崎君なら。やれるよ」
「そうね」
真理もその言葉に笑顔で頷いた。
「巧達なら。きっとね」
「そうね。剣崎君達なら」
栞もそれに同意する。
「きっとやれるわ。けれどこれで終わりじゃないのかも」
「それはあるかも」
真理もその言葉を否定できなかった。彼女だけでなく啓太郎も虎太郎もそれは同じであった。何故かこれで最後の戦いだとは誰も思えなかったのだ。
「俺、オルフェノクで終わりだと思っていたんだ」
啓太郎はここで言った。
「けれどさ。こうして統制者と戦うってことになって」
「こんな話があるんだよ」
虎太郎はふと述べてきた。
「仮面ライダーって都市伝説」
「たっ君達のこと?」
「いや、その前からなんだ」
虎太郎はそう返す。
「仮面ライダーは一旦人間になるとずっと戦い続けるって。誰かを守る為、皆を守る為にね」
「じゃあ巧達も」
「剣崎君達も」
真理と栞はその言葉に息を飲む。
「これからずっと」
「戦わなくちゃいけないってこと?」
「そうかも知れない」
虎太郎は俯いて述べる。
「都市伝説通りなら」
「じゃあ剣崎君はアンデッドでなくなっても」
「そうかも。確証は持てないけれど」
虎太郎は栞に述べる。俯いて真剣な顔になっていた。
「あの人が話していたスサノオってのを倒さない限り」
「スサノオ、ねえ」
真理はその言葉を聞いて考えていた。まるで何かおとぎ話を聞いているような気持ちだった。しかしオルフェノクについて聞いた今ならばそれは信じられることになっていた。
何故オルフェノクが生まれたのか、オルフェノクとは何なのか。それはそれまでの戦いでの謎だったからだ。それがわかった今その途方もない話も信じられるものとなっていた。
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