第八十四部第一章 梟雄の復活その三十四
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「ベッドから起き上がられました」
「そうか」
「部屋も出られるとのことです」
「お身体は大丈夫だな」
「熱は下がり」
「ご体調もだな」
「万全で」
それでというのだ。
「すぐにシャハラザードに向かわれるとのことです」
「すぐにか」
「そのうえで前線においてです」
「指揮を執られるか」
「戦局はシャハラザードに戻られ」
「そこで聞かれるか」
「そう言われています」
こうサルマーンに報告した。
「その様に」
「そうなのか」
「はい、既に軍服を着られマントも羽織られ」
「部屋を出られてだな」
「電送機に向かっておられます」
「迅速であられるな」
サルマーンは報告を聞き満足した顔で言った、そしてだった。
そのうえでだ、彼は報告した士官に労いの言葉を贈ってから退室させるとそのうえで他の将官達に話した。
「諸君、聞いたな」
「左様ですね」
「閣下が目覚められましたか」
「そしてそのうえで、ですね」
「もう戦場に戻られる」
「まさに吉報です」
「そうだな、ただな」
ここでこうも言ったサルマーンだった。
「ベッドから出られてか」
「すぐに戦場に出られるとは」
「閣下らしい行動力ですが」
「お身体は大丈夫か」
「そう思ってしまいますね」
「全くだ」
こう言うのだった。
「無理をされているのではないか」
「インフルエンザでしたし」
「やはり重い病です」
「普通の風邪とは違いますし」
「ですから」
「ご自重をされるべきではないか」
サルマーンは考える顔で述べた。
「そうも思うが」
「ですが閣下は戻られます」
「もうその用意に入っておられます」
「それならですね」
「止めることはないですね」
「止めるとな」
そうすればということもだ、サルマーンは話した。
「閣下はここは聞かれぬ」
「左様ですね」
「閣下は動かれました」
「動かれると閣下は足を止められません」
「それではですね」
「我々は止めることは出来ない、ならばだ」
サルマーンは他の将官達に話した。
「我々はこれまで通り留守を守ろう」
「このままですね」
「留守を守りますね」
「このサマルカンド星系において」
「そうしますね」
「軍事は己に与えられた任務を全うする」
やはり強い言葉で言った。
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