第二十一話 六歌仙その六
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「防御系や攻撃補助の術はうちがどんどん使うから」
「僕等はやな」
「攻撃に専念してくれへん?」
こう中里に返した。
「うちも大蛇もそちらに専念するから」
「そうする、主の言う通りにな」
「我等もこの度は攻撃は加えない」
大蛇も八つの頭で言ってきた。
「術に専念する」
「存分に使わせてもらう」
「だから貴方達はだ」
「攻撃に専念して欲しい」
「六歌仙の方々の和歌は強いけどな」
それでもというのだ。
「それはうちが全力でダメージを軽減するさかい」
「そして僕等の攻撃もやな」
「上げるから、うちが術に専念したら」
それならというのだ。
「一ターンに三度は使えて」
「我等もいる」
「しかも主の術の強さは知っているな」
「神星の中でも極めて強いな」
また大蛇が言って来た。
「四智星のお歴々に勝るとも劣らぬ」
「そこまでのものだな」
「そやな、そこに自分達も加わるし」
中里は大蛇にも応えた。
「かなりな」
「万全だ」
「任せるのだ」
「そうするな、本来はもう一人か二人そうした術に回ってもらうが」
「今回はうちが全力でやらせてもらうさかい」
また綾乃が言ってきた。
「大蛇と一緒に」
「そして僕等はやな」
「六歌仙に向かってな」
「ほなそうするわ」
中里も頷いた、そしてだった。
綾乃と大蛇の術を受けてそのうえで戦っていった、リーは自身の神具である神船も出してそれを十九世紀初頭の帆船の様にしてだった。
そのうえでだ、砲撃を行わせつつ仲間達に言った。
「ほなな」
「僕等九人でやな」
「総攻撃を仕掛ける、九人で攻めれば」
「ああ、相当な破壊力がある」
中里はリーに応えて言った。
「間違いなくな」
「綾乃ちゃんと大蛇のフォローはかなりや」
リーが見てもだ。
「全力でそっちに回ってもらってるしな」
「そやからやな」
「ここはな」
「まさにやな」
「それを受けつつな」
「九人で一気にやな」
「攻撃に専念する、それでやが」
リーはその目を鋭くさせて言った。
「六歌仙もまたそれぞれ属性があるな」
「そのことか」
「そや、今私達が戦っている大伴黒主さんも」
「ああ、黒やからな」
中里は彼の名にあるその色から話した。
「五行思想で言うとな」
「水や」
「そや、水の属性や」
「その水の属性にや」
「強い属性で攻めるな」
「そうしたらな」
「有利に戦える」
リーに言った。
「そういうことやな」
「その通りや、ええな」
「ああ、神霊に勝つにはな」
「力だけではあかん」
「頭も使うことや」
「これまでの戦でわかってきたな」
「この塔でもな」
またリーに答えた。
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