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神々の塔
第二十一話 六歌仙その一

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               第二十一話  六歌仙
 一行は塔の中を進んでいき今度は襖と木の床の階にいた。その中に進みながらアレンカールは襖を開けて襲い掛かって来た忍者達を倒して言った。
「お約束の展開ね」
「襖から忍者が出るとかな」
 シェリルも言った。
「ほんまな」
「お約束よね」
「ああ、忍者といえばな」
「もういきなりね」
「奇襲してくるもんでな」
 それでというのだ。
「それも特にな」
「和風の場所でね」
「そうしてくるもので」
 それでというのだ。
「今襖から出て来て」
「まさに忍者ね」
「そう思うわ、私も」
「ええ、ただね」
 アレンカールは一礼して金を置いていった忍者達を観つつ話した。
「忍者って昔から日本にいる訳やないのよね」
「日本の歴史は長い」
 シェリルは一言で答えた。
「二千六百年以上あるんや」
「皇紀に従うとね」
「そやからな」 
 それでというのだ。
「忍者がおらん時代もな」
「あるわね」
「縄文時代におるか」
 忍者がというのだ。
「神話の時代とかな」
「ああ、忍者ね」
「想像つかんやろ」
「武士もね」
「戦国時代からやろ」
 忍者がいるのはというのだ。
「そやろ」
「そうね」
「それやとな」
「忍者がおらへん時代も」
「長いわ」
 そうだというのだ。
「これがな」
「そうなのよね、実は」
「源氏の君と忍者は一緒におらんし」
「聖徳太子さんともよね」
「そして頼朝さんともな」
 この人物ともというのだ。
「武士でもな」
「時代がちゃうのよね」
「それでや」
「そうなのよね」
「そこを間違えると」 
 シェリルは顔を曇らせて話した。
「とんだ勘違い日本になるわ」
「実はな」
 トウェインが苦笑いで言って来た。
「わい最初日本では忍者と侍とお公家さんと陰陽師と鬼が全部一緒におるな」
「そんな国やと思ってたな」
「力士さんとあと修験者も天狗もな」
「全部やな」
「一緒におるってな」
 そうした国だと、というのだ。
「思ってたわ」
「そこに町人や落語も入るな」
「そや、和歌を詠んで」
 そしてというのだ。
「忍術に陰陽道もな」
「使う国やな」
「同時にな」
「色々な時代の日本が一つになった」
「そんな風にな」 
 まさにというのだ。
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