第八十話 久しぶりに会ってその十四
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「女の子主導でなくてもね」
「いいんだな」
「鳴海っちがぐいぐい引っ張ってもね」
「この場合亭主関白って言うんだよな」
鳴海は飲んでかたら返した。
「それでもかよ」
「別にいいよ」
「俺は別にそういうのもな」
亭主関白と聞いてだ、鳴海は酔っているが冷静な目で答えた。
「求めてないよ」
「そうなの」
「五分五分でいいだろ」
こう言うのだった。
「別にな」
「私達は」
「どっちが偉いとかないだろ」
「それはね」
かな恵も頷いて応えた。
「ないわよね」
「だからな」
「五分と五分ね」
「どっちが偉いとかな」
そうしたことはというのだ。
「別にな」
「ないし」
「一緒にやっていったらいいだろ」
「そうなのね」
「俺達はな、あとヘタレって言われてな」
またこの話をするのだった。
「俺はこのままいきたいな」
「そうしたことは先ね」
「かなは嫌かよ」
「そう言われたらそこまでしたいとはね」
それはとだ、かな恵も答えた。
「思わないわ」
「かなもか」
「そりゃ興味はあるわよ」
かな恵はこのことは否定しなかった。
「私もね、ただ相手は鳴海っちだけで」
「その俺がどうしてもって言うとか」
「早いとか言われたら確かにね」
「まだ高校生だしな、俺達」
「そうだしね」
「昔は俺達みたいな年齢で結婚してたけどな」
「武田信玄さんは十三歳だったし」
その歳のうちに子供が出来たが残念ながらこの時の妻はその子供をお腹の中に宿したまま世を去ってしまっている。
「私達の年齢でね」
「結婚してたけどな」
「今は今ね」
「そうだからな」
それでというのだ。
「せめて高校卒業してからな」
「そういうことをするのね
「そうしような、それまでは普通にな」
「お付き合いするのね」
「それでいいだろ、俺だって興味あるよ」
鳴海にしてもだった。
「それでもな」
「今はなのね」
「ああ、卒業するまでだよ」
高校をというのだ。
「出来れば二十歳からで」
「最低でも卒業してからね」
「そうしたいよ」
「それじゃあ私もね。あとね」
かな恵は最後の一本を空けてコップに入れてから言った。
「鳴海っち背伸びた?」
「そうか?」
「前は一七〇ない感じだったけれど」
それ位の身長だったがというのだ。
「今は一七〇あるんじゃない?」
「俺大きくなったのかよ」
「体型はそのままでも」
「背はか」
「伸びてるんじゃない?」
「それはいいな」
鳴海も最後の一本を空けて自分のコップに入れながら応えた、もう柿ピーもポテトチップも少なくなってきている。
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