第八十話 久しぶりに会ってその十三
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「その分ね」
「寒くなるか」
「そうなるのよね」
「それはそれで厚着したらいいけれどな」
「白いコートの下とかにね」
「やってるよな」
「そうそう、私実は去年お祖母ちゃんに白いコート貰ったの」
かな恵は自分のことも話した。
「鳴海っちの前ではまだ着てないけれど」
「そんなのも持ってるんだな」
「それでその下にね」
コートのというのだ。
「セーター着てズボンの下にストッキングとか」
「ズボンの下にストッキングかよ」
「そうしたら暖かいのよ」
こう鳴海に話した。
「だから冬はね」
「着てるんだな」
「そうなのよ、だから露出は」
かな恵は笑って話した。
「ないわよ」
「いや、だから俺はそういうのはな」
「まだ早いっていうのよね」
「だからな」
「真面目ね、酔ってもそう言うなんて」
「それクラスで言ったらお前ヘタレかって言われたよ」
「何dヘタレなの?」
鳴海のその言葉に問うた。
「わからないけれど」
「そんなの押して押して押しまくれってな」
「言われたの」
「ああ、クラスメイトにな。ただ言った奴はな」
「どうなの?」
「最近農業科の娘と付き合ってるけどな」
農業科も商業科と同じく男女の比率では女の子の方が多い。従って交際相手は他の学科に求めることが多いのだ。
「完全にな」
「あっ、カカア天下ってやつ?」
「尻に敷かれてな」
それでというのだ。
「押すどころかな」
「押されっぱなしなの」
「それで評判なんだよ」
「そうなのね」
「実は最後までいったらしいけれどな」
「っていうと」
「そいつ言わないけれどな」
かな恵にこう前置きして話した。
「その娘に言われてホテルにな」
「行ったの」
「みたいだな」
「そうしたホテルね」
「ワリカンでな」
ホテル代はそうしたというのだ。
「どうもな」
「そうなのね」
「それでもな」
「その娘になのね」
「尻に敷かれてるってな、ただ幸せそうだぜ」
女の子主導でもというのだ。
「俺にはそう言ったけれどな」
「ホテル行ったし」
「それで結構気楽らしいな」
「女の子主導だと」
「みたいだな、落合さんとこみたいにな」
落居博満、三冠王を三度獲得し抜群のバッティングと卓越した野球理論を持ち監督としても活躍した人物だ。
「女の人が強いと」
「かえっていいの」
「みたいだな」
「そうなのね、私は別に」
かな恵は飲みつつ鳴海に言った。
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