第八十話 久しぶりに会ってその十二
[8]前話 [2]次話
「そっちの方が恰好いいってな」
「私ナポレオンの時のフランス軍も好きよ」
「あの青い」
「それもね」
この青い軍服とフランス人の食生活からイギリス人はフランス人を蛙と呼んで馬鹿にしていたという。それに対してフランス人はイギリス軍の軍服が赤いので彼等をザリガニと呼んでやはり馬鹿にしていたという。
「好きよ」
「あれも恰好いいな」
「それでその先輩は」
「あの白い詰襟が最高だって言われてな」
それでというのだ。
「冬はな」
「あの制服なの」
「夏は白のズボンで」
それでというのだ。
「上は半袖だよ」
「白の」
「あれだよ、略装だよ」
それだというのだ。
「海上自衛隊で言う」
「あの半袖ね」
「あれなんだよ」
「そうなのね」
「それで今夏服だけれどな」
それでもというのだ。
「先輩はその略装もな」
「お好きなの」
「そうなんだよ、夏は略装で」
「冬は礼装ね」
「そうなってるんだよ、しかしカレーとかビーフシチューとかな」
鳴海はかな恵の出した柿ピーも食べながら話した。
「白だと食うの怖いよな」
「お汁付いたらね」
「滅茶苦茶目立つからな」
「白だとね」
「実際先輩白ランで気を付けておられて」
「今の夏服もなのね」
「白だからな」
まさにこの色故にというのだ。
「気になるよな、ただ夏は涼しいらしいな」
「白って熱撥ね返すからね」
「日光だってな」
「だからね」
その為にというのだ。
「夏はね」
「涼しいんだよな」
「そうなのよね」
「それはいいよな」
「汚れ目立ってもね」
「そもそもな」
鳴海は柿ピーを齧りつつ言った。
「白い軍服って暑いところで着たんだよな」
「何かイギリス海軍がね」
ロイヤル=ネービーと言われた彼等がだ。
「赤道とか通る時に」
「暑いからな」
「それで光を反射して涼しいから」
「あの白の詰襟考えてな」
「着たのよね」
「それを世界中の海軍が真似たんだったな」
鳴海はこう言った。
「今もで」
「日本海軍もで」
「海自さんもってことだな」
「そうなのよね」
「白って本当に光撥ね返すんだな」
「ええ、だから逆に冬はね」
この季節はというと。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ