魔王
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<バラモス城>
「うぉりゃ!」
魔神の斧とカンダタのハイパワーが合わさると、動く石像をも一撃で粉砕する破壊力を披露する事が出来る。
「流石カンダタ、頼りになるわね!」
バラモス城探索を再開したアルル達は、一層多くなった敵を撃破しつつ、奥へと進んで行く。
進むに連れて数の増える強敵を撃破し、禍々しい邪気を発する部屋の前へと辿り着いたアルル一行。
「ま、間違いなく…この向こうにバラモスが居るわ…」
アルルが緊張しながら呟く…
魔王バラモス…
闇の世界から現れ、モンスターを凶暴化させ、世界を混沌へと誘う者。
アリアハンから旅立った勇者アルルは、バラモスを倒し世界に平和を取り戻す為に此処まで来たのだ。
色々な人と出会い、色々な事を見て、色々な思いを募らせてきた…
魔王が居る部屋を前に、極度の緊張が彼女を襲う。
果たして今の自分で倒せるのか…
みんなと共に生きて帰れるのか…
恐怖で一歩踏み出せずにいる…
しかし彼女は1人ではない!
頼れる仲間が…頼れる友が…頼れる家族が…そして何より、愛する男が共に居るのだ。
気付くと彼が手を握り締めてくれる。
それだけで彼女の心は強くなれる!恐れていた一歩を踏み出す事が出来る!
「魔王バラモス!お前の悪行もこれまでよ!アリアハンの勇者アルル…お前を成敗しに参上!」
勢い良く扉を開けると、目の前には邪悪な妖気を発しているバケモノが1体…
「遂に此処まで来たかアルルよ…この魔王バラモス様に逆らおうなど、身の程をわきまえぬ者達じゃな」
腹の底から響く様な低い声で言葉を発するバラモスに、たじろいでしまうアルル達。
「此処に来た事を悔やむが良い!再び生き返らぬ様に、そなたらのハラワタを喰らい尽くしてくれるわっ!!」
バラモスの怒気が周囲に広がり、アルル等の緊張感がピークに達した瞬間…
「何かアレ可愛いね…アレだアレ、動物の『獏(バク)』みたい!何か凄んでるけど、それがちょ〜かわいい!」
「「「……………」」」
先程まで張りつめていた緊張した空気が、急激に可笑しく思える発言…
「な…ば、獏…だと…!?」
流石のバラモスも、言葉に詰まるリュカの発言。
「ちょっとリュカ…もうダメよ!これ以上は飼えないからね!」
「か…飼う…?ワ、ワシを!?」
「お父さん…お母さん…みんな真面目に戦おうとしてるんだから、ダメだよ…邪魔をしちゃ」
あまりの事に、バラモスですら怒りを忘れ何も言えなくなっていた。
そしてマリーが、苦笑しながら両親に注意を促すと…
「お、おのれバカにしおって!!き、キサマら全員、滅ぼしてくれるわ!!」
「それ、さっき聞いた!」
リュカの言葉を聞き終わる前に、バラモスは口から激しい炎を吐き、リュカだけを狙って攻撃をしてきた!
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