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す為に用意されたものだろうしな」

「わ、私を潰す?」

「そうだ。いや、そうだろ? 綾小路」

『!』

「……」

 

 またも櫛田と堀北が俺の方に視線を移した。

 

(これはもう、ごまかせないよな)

 

 もう誤魔化しはきかないだろうと判断し、俺は事実を述べる事にした。

 

「……そうだ。俺が準備して、とある女子に頼んで櫛田の内ポケットに仕込んでもらった」

「あ、あんた! 私を退学させるつもりだったの!?」

「……ああ。最悪の場合はな。テスト終了後にその事を茶柱先生に密告して、カンニング扱いでの強制退学に追い込むつもりだった」

「くそっ! このクソ野郎が!」

「ククク……」

 

 怒りを露わにして俺を睨む櫛田。その姿を見て、龍園は満足そうに笑う。

 

 なるほど、これが龍園の狙いか。なんでこの話に参加するのかと思ったが、俺達の間の溝を埋めさせずにもっと深くする為だったんだな。

 

(……だが、どうしてそんな事をする必要がある? こいつの狙いは綱吉潰しの筈だが)

 

 ……そして、まだ龍園の話は終わってはいなかった。

 

「落ち着け桔梗。まだこの話には続きがあるんだからよ」

「まだ何かあんの!?」

「よく考えろよ。さっき鈴音は、沢田がお前達の勝負に気付いて、両方が傷つかない方法で決着させようとこっそりと動いていたんだと言ったな?」

「それがなに?」

「……そんなお優しい沢田がよぉ。桔梗を退学させようとする綾小路の仕掛けを見逃すと思うか? それのどこがどちらも傷つかない方法なんだ?」

「っ!」

 

 櫛田は完全に動揺してしまっている。絶対に自分を裏切らないと信じていた相手に、裏切られていたかもしれないと。

 

(……これが真の狙いか。櫛田の綱吉に対する盲信的な愛情を利用して、逆に激しい恨みに変えてやろうとしているわけだ。後に自分が綱吉を潰す時に利用する為に)

 

 しかし、綱吉に対する櫛田の思いも半端ではない。そう簡単に綱吉に恨みなんて持てないだろう。

 

 ……だが、今の櫛田は俺達を退学に出来なかった事で心が不安定になっているはずだ。

 

 俺もそこを突いて櫛田を味方に引き入れられないかと考えてたわけだが、もしも龍園も同じ様な事を考えているのだとしたら……まずい事になりそうだ。

 

「……で、でも! ツナ君は知らなかっただけかもしれないし!」

「お前達の考えだと、沢田は勘が鋭いんだろう? 気づかないとはとても思えねぇなぁ」

「……じ、じゃあ、何か事情があったとか!」

「その事情ってのは何だ? 
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