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ぺーパーシャッフルF 〜全ては大空の下で〜
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もしないと君の本当の悩みを理解する事は出来ないと思ったんだ」

「……本当の悩み?」

「うん……」

 

 ツナ君は片手を離し、私の頬に流れている涙を拭った。

 

「今までの俺は、桔梗ちゃんの悩みとか抱えているものを解消してあげたいと思っていても、行動ができていなかった。助けたいと口では言っていても、実際の行動には移れずじまいだった。それはきっと、その悩みは素の君に踏み込まないと知ることができないと思っていたからだ」

「……」

「でもそうなると、その過程で他の人に君の秘密にしたい事がバレてしまう可能性がある。そう思うと、なかなか踏み込んでいけなかった」

 

 話しながら、ツナ君は申し訳なさそうにしている。

 

「……でも今回、クラスの事を鈴音さんと清隆君に任せて自分はクラス全体のサポートに回った事で分かった事があるんだ」

「……何?」

「桔梗ちゃんと鈴音さん達の勝負に気付いた時、こう思ったんだ。清隆君と鈴音さんには、桔梗ちゃんは素の自分を曝け出してるんじゃないかってね」

「!」

「きっと鈴音さん達の退学を賭けた勝負なんだろうと思った。でもよく考えたら、そんな勝負はお互いの本心を曝け出してないと起こりえない。だから桔梗ちゃんは、俺よりも鈴音さんや清隆君の方が素の自分を見せやすいんだって気付いたんだ」

 

 言われてハッとする。確かに、あいつらに対しては素の自分を出す事に全く抵抗がなくなっている。

 

「それで分かったんだ。きっと桔梗ちゃんが素の自分を曝け出せるのは、素の自分を受け入れてくれる相手だけなんだって」

「……」

「そして、今の俺はまだ桔梗ちゃんにそう思ってもらえる男じゃなかったって事だ」

「そ、そんな事は」

 

 私はむしろ、ツナ君だけが私の全てを受け入れてくれるって信じていた。

 でも実際は、私はツナ君よりもあいつらにこそ自分を曝け出していた?

 

 ……もしかしたら私の中に「ツナ君に嫌われたくない」、「見捨てられたくない」って思いがあったのかもしれない。

 

 中学時代のあの事件が、実は呪縛のように私に取り憑いていたから……

 

 そんな不安を無くしたくて、無意識にツナ君の事を盲信的に信じるようになったんだ。

 

「だから俺、桔梗ちゃんに自分の全てを受け入れてくれる男だって思ってもらうって決めたんだ」

「……うん」

「その為に何が必要か。……それは、今回の勝負で鈴音さんと清隆君が教えてくれた」

「えっ?」

「2人はきっと、桔梗ちゃんとのわだかまりを解消したくて今回の勝負を考えたんだと思う。勝って自分達の退学を諦めさせられたとし
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