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大切なお仲間を犠牲にするかもしれないのに、それよりも大事な事情ってもんが沢田にはあるのか?」

「うぅ……」

 

 櫛田の顔に冷や汗が浮かんでいる。完全に龍園の術中に嵌っているようだ。

 

 そしてその矛先は、綱吉から堀北に移り変わる。

 

「……沢田だけじゃない。鈴音だって綾小路の仕掛けを知っていて見逃したはずだ。つまり、鈴音もお前を退学させるつもりだったって事だぜ」

「! あんたっ!」

(……堀北のことは元々嫌っていたからな。あっさりと龍園の言葉を信じてしまっている)

 

 驚きのあまりしばらく口を閉ざしていた堀北も、櫛田に睨まれて慌てて弁明を始める。

 

「ち、違うわ。私は今回の勝負でお互いのわだかまりを解消しようと……」

「信じられるわけないでしょ!?」

「く、櫛田さん……」

 

 堀北を睨む櫛田の表情は、純粋な怒りに満ち溢れている。

 

 しかし……絶対の存在として信じていた綱吉から見捨てられたかもという言葉だけで、ここまで荒れてしまうとはな……

 

「ハァ……ハァ……」

 

 息も荒くなってきた櫛田の肩に、ポンっと手を置いた龍園。

 

(……トドメを刺す気か?)

 

「まぁそうは言っても、今回の勝負は引き分け。勝負自体が無効になったわけだ。なぁ桔梗。こいつらを退学させることも出来ず、信じていた沢田に裏切られた気持ちはどうだ?」

「っ!」

 

 今までは明言はしなかったのに、今度は明確に裏切られたと発言した。

 

 これにより、櫛田の脳内では沢田綱吉に裏切られたという事実があったと認識してしまっただろう。

 

(……龍園の奴、人身掌握術でもかじっているのか? いや、恐怖や不安で人を操る事でCクラスをまとめ上げているこいつだ。元々そういう素養があったんだろう)

 

 龍園によって植え付けられた不安の種が、今の言葉で一気に花を咲かせたようだ。

 

「……ま、まだ私が勝っている可能性もある! 試験結果が出るまで勝負は決まらない!」

「そうだな。だが、その可能性はほぼないんじゃないか?」

「! ……う、うるさい!」

 

 ??ダダダダっ……ギィィ、バタン。

 

 櫛田は肩に置かれた龍園の手を払い除け、走って屋上から出て行ってしまった。

 

「……堀北、追いかけるぞ」

「……え?」

「櫛田を追いかける。ほら、行くぞ」

「え、ええ」

 

 櫛田を放置しておけない。

 俺と堀北も櫛田を追って走り出した。

 

「ククク……」

 

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