ペーパーシャッフルB 〜迫り来る嵐の予感〜
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てきた。
場がいい感じになってきたその時??。
カフェには相応しくない怒号が聞こえてきた。
「なんとかなんねーのかよ!」
『!』
声のする方に目を向けると……そこにはCクラスの石崎君と、困ったような店員さんが立っていた。
「そう仰られましても……そういった特注のケーキは、引き渡しの1週間前にはご注文を頂かないと対応が難しくて……とても当日では対応ができませんので」
「だから、そこを何とかしろって頼んでんだろうが!」
店員さんが説明をしても、石崎君はしつこく食い下がっている。
「なにあれ」
長谷部さんがペンをクルクルさせながら、石崎君を気持ち悪そうに睨んだ。
「……さぁな。俺達には関係ないことだ」
「だなぁ。飛び火されても困るしな」
「……」
幸村君と三宅君は我関せずという感じだ。
??さらさら。
??ビリッ。
??すっ。
「……? 沢田君?」
そんな空気の中。俺はノートにとある事を書き込み、そのページを切り取って、佐倉さんの問いかけに答える事もなく、1人立ち上がった。
そして、そのまま石崎君の元に歩いて行く。
「……石崎君、やめなよ。無理だって店員さんが言ってるんだからさ」
「ああ? ……! 沢田か、何だよ? 割り込んでくんなよ!」
「さすがに見てられないよ。店員さんが無理だって言ってんだからさ、別のお店を探せばいいじゃないか」
「うっせぇな! ここ以外でも断られてんだよ! もうここしかねぇんだよ!」
石崎君の言葉を聞きながら、俺はちらりとカウンターに目をやった。そして、ケーキが並んだショーケースの上に、「バースデーケーキ、チョコでホール」と書かれたメモが置いてあった。
(なるほど、バースデーケーキか。これは当日じゃ厳しいだろうな)
そう思った俺は、まだ店員さんに喚いている石崎君にさっき書いたノートの1ページを渡した。
「石崎君、これ」
「あ!? なんだそりゃ!」
「当日でも特注ケーキを作ってくれる洋菓子屋さんの地図。そこなら当日でも受け付けてくれるから」
「あ!? ……マジか? 嘘じゃねぇだろうな?」
ノートの1ページを見た石崎君は、半信半疑なのか疑いの目を持ちながらそう聞いてきた。
ちなみにその洋菓子屋さんは、夏休みに葛城君と妹さんにバースデーケーキを送った時にも利用したお店だ。
店主さんが本当にいい人で、大事な
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