ペーパーシャッフルB 〜迫り来る嵐の予感〜
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沢の代わりに土下座で謝ってきた。 自分にはなんでもしていいから、軽井沢の事は許してあげてくれって……」
「はんっ、沢田は人格者って訳か?」
「う、うん。で、でも、そこが沢田君の弱点なんじゃないかって……」
「? どういう意味だ?」
「その……体育祭の時も思ったんだけど、沢田君は友達とか仲間の為なら、自分を犠牲にする事を厭わないんじゃないかな……」
「……」
真鍋の意見を聞いて、龍園はこれまでの事を思い出す。
(石崎達を使って須藤を退学にしようとした時、沢田は自分を殴らせてお互いの立場を同じものにする事で問題を相殺して見せた)
(俺が綾小路の作戦に乗り、桔梗達を砂浜に置き去りにした時も、佐倉を助ける為に俺に土下座してみせた)
(体育祭の棒倒しでは、須藤を庇って1人で暴力を受けながら棒を守り切った)
「……そうか。よくよく考えれば、沢田が力を発揮して来る時は必ず俺達がDクラスの生徒にちょっかいをかけていたな。ならば、その習性を利用すればあいつを完膚なきまでに叩きのめせそうだな」
ツナの弱点を見つけたと確信した龍園は高笑いをした。
「ははは! これであいつも潰してやれそうだなぁ。……真鍋、よくやった」
「……は、はい」
真鍋の肩に手を置いた龍園は、教卓へと戻って行った。
「……よし、方針は決まったな。お前らに命令だ。これからしばらく、沢田の交友関係を探れ。沢田にとって1番攻撃されるとダメージがでかそうな奴を見つけ出すんだ。見つけ出せた奴には、PPを10万ポイント贈呈しよう」
『!』
10万ポイントというご褒美に、クラスメイト達の目の色が変わる。
(10万……)
(沢田のせいで、俺達は龍園からひどい扱いを……)
(鬱憤を晴らすチャンス!)
クラスメイト達が様々な思惑を巡らせる中、ひよりは1人でため息を吐いた。
(……見る目のない人達ですね。ツナ君にコテンパンにやられて、もう少しまともなクラスになってくれればいいんですけど)
そう思いながら、窓側である自分の席から大空を見上げて微笑んだのであった。
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