ペーパーシャッフルB 〜迫り来る嵐の予感〜
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イベントの為なら当日でも引き受けてくれるんだよね。俺も何件も断られてやっと見つけ出したお店だ。きっと今後もお世話になると思う。
「本当だよ。俺、夏休みにそのお店でバースデーケーキ作ってもらったから」
「……分かった。ここに行ってみるわ」
そう言って立ち去ろうとする石崎君。そんな石崎君を俺は呼び止めた。
「待ってよ」
「あ? まだ何かあんのか?」
「店員さんに謝らないと。無理な要求して仕事の邪魔したんだからさ」
「……あぁ? テメェあんまり調子乗ってんじ……」
キレたのか再び俺に詰め寄ろうとする石崎君だったが、お店中から迷惑そうな目線を向けられている事に気づいたのか、すぐに足を止めた。
『……』
「……ちっ!」
大きい舌打ちをすると、石崎君はパレットから退店していった。
……結局謝らなかったか。
石崎君の代わりに、俺が店員さんに謝罪しておこうかな。
「すみませんでした。ご迷惑をおかけしました」
「あ、いえいえ! むしろ助けていただいてありがとうございます!」
店員さんが安堵した表情になっていたので、許してもらえたと思って席へと戻った。
俺が席に近づくと、長谷部さんがパチパチと小さい拍手をしてくれた。
「ひゅ〜。すごいね沢田君。あんな事普通できないよぉ〜。ちょっと感動した」
「あはは、ありがとうね」
少し照れながら席に着くと、綾小路君も話しかけてきた。
「……石崎、何をしてたんだ?」
「ああ、なんかバースデーケーキを頼みたかったらしいよ。でも当日ではお店では注文を受けられないって言われて食い下がってたみたい」
「……ああ、なるほどな」
「うん」
「……」
「……?」
「……」
「綾小路君?」
「……ん? あ、すまん。何でもない」
綾小路君は何でもないと言うが、いきなり無言になった事が気になった俺は、無言中に綾小路君が見ていた場所に視線を移した。
そして、そこにあったのは??卓上カレンダーだった。
パレットの客席には、その月のイベントが記入してある卓上カレンダーが置かれているんだ。
卓上カレンダーを見たということは、日付が気になったって事かな?
今日は10月19日。だから明日は10月20日。……あ!
その時、とある事を思い出した。
ちょうど5日前、その日は俺の誕生日だった。それでクラスメイトの何名かが放課後にお祝いしてくれたん
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