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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
ペーパーシャッフル@ 〜大空の翼達〜
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みに回ってもらう事になったわ」

「……沢田が了承したのか。ならまぁいいか」

「ええ。櫛田さんのターゲットは私達なのだし、この問題は私達で解決するべきよ」

「……で? 具体的に解決策はあるのか?」

「ええ。賭けを申し出ようと思っているの」

「賭け?」

「そうよ。期末試験の1教科に絞って点数で勝負して、私が勝てばもうクラスの邪魔もしないし私達の退学も諦めてもらう」

「……もし負けたら?」

「私達は2人とも自主退学ね」

 

 ……俺の許可取る前にもう人数に入ってんのな。

 

「……勝手に俺を生贄にするなよ」

「すまないわね。あなたには私と運命を共にしてもらうわ。ペーパーシャッフルじゃないけど、この問題においては私達は一蓮托生のペアだもの」

「……櫛田の言葉を借りるなら、俺達は沢田の両翼だからって事か」

「そういうこと」

 

 ……まぁ、俺も沢田の相棒≠ノなると決めたワケだし、沢田のパートナー≠ナある堀北とはペアみたいなもんか。お互いに沢田の片翼を担っているわけだしな。

 

 だが、堀北が自分からこういう事をするとは思いもしなかった。

 

「……なぁ堀北」

「なに?」

「お前の今の発言、沢田のパートナーとしての発言か? それとも堀北鈴音個人の発言か?」

「……」

 

 俺の質問を受け、堀北は少し考え込んだ。

 

「……どっちもね」

「どっちも?」

「ええ。堀北鈴音として、DクラスをAクラスに上げる為に櫛田さんとの関係を修復したいという思いもある」

「……パートナーとしても、他に何かあんのか?」

「……そうね」

 

 そう言うと、堀北は歩みを止めて廊下の窓を開けた。

 そして、窓から空を見上げている。

 

「……私、体育祭で気づいたんだけど……綱吉君から言ってもらったパートナー≠ニいう言葉が、自分の中でとても大事なものになっているの」

「……心の拠り所みたいなもんか?」

「そうね。そういう表現が正しいわ」

 

 やはりか。俺も沢田に言われた相棒≠ニいう言葉が心の拠り所になっているように感じているからな。

 

「中学までの私は、兄さんに追いついて認めてもらいたい。その一心でひたすら前に進んできたわ。周りの事なんて気にも止めずにね」

「……ああ」

「でも結局、兄さんに近づく事はできたと思っても、まだまだ距離もあるし認めてももらえなかった。そして、それまでの私は兄さんに追いつきたいという目標だけで突き進んできたから、兄さんに完全に拒絶された時にはもう頑張る意味すらないとも思ったわ」

 


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