暁 〜小説投稿サイト〜
ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
体育祭の後A 〜真なる相棒〜
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「……」

 

 坂柳さんがいなくなると、俺達の間に重い沈黙が訪れた。

 

(やば、どうしよう……坂柳さんの対応で頭いっぱいだったけど、綾小路君にボンゴレの事知られちゃったよ!)

 

 どう説明しようかと頭を高速回転させていると、ふいに綾小路君が深いため息を吐いた。

 

「……はぁ」

「!?」

「……なぁ、沢田」

「は、はい!?」

 

 ついに来たか。ボンゴレについてあれこれ聞かれちゃうのかと身構えた俺だったが、意外にも綾小路君は自分の事を話し始めた。

 

「……この際だ。お前には全てを話しておく。いつかは話そうと思ってたしな」

「え? は、話すって……坂柳さんが言っていたホワイトルーム≠チてやつのこと?」

「そうだ」

 

 驚いた。話したくないだろうから聞かないでおこうと思ってたんだけど、自分から教えてくれるとは。

 

「ホワイトルームというのは、天才を人工的に作り出す事を目的とする教育施設の事だ。表社会では一切存在を公表されていない超秘匿教育機関でもある」

「……人工的に天才を作り出す?」

「そうだ。そこに収容された子供は、学問学術に問わず武術や護身術、処世術など様々な科目において徹底的に英才教育を施される。そして、施設内は全てが真っ白な壁や床で構築されていて、ホワイトルームの理念にそぐわない娯楽品などは一切存在しない。外界とも完全に隔離されていてほぼ自由はなく、ひたすら独自のカリキュラムを受けさせられる日々が続く」

「そ、そんな場所が? も、もしかして綾小路君もそこの出身なの?」

 

 そんな場所があるなんて信じられない。だが、綾小路君は俺の質問に無言で頷いてしまった。

 

「そうだ。俺は生まれてからこの学校に入学するまで、ずっとホワイトルームの中で生きて来た」

「そんな……そんな教育を子供にする施設があるなんて」

「だから世間には秘匿されているんだ。ホワイトルームは人道的に認められるような施設ではないし、もし外界にもれれば大バッシングは避けられないからな」

「……で、でも。綾小路君は高校からは自由になったんだよね?」

 

 高校入学を機にホワイトルームを出たのなら、もう綾小路君は自由になったって事だよな。

 

 だが、綾小路君はこの質問には首を横に振った。

 

「……いや、自由にはなっていない。俺はホワイトルームを脱走してこの学校に入ったからな」

「ええっ!? 脱走したの? じ、じゃあもしかして追われてる身だったりする?」

「多分な。脱走はホワイトルームの関係者が手引きしてくれたんだ。この学校なら外界とも隔離さ
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