体育祭の後A 〜真なる相棒〜
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……綾小路君、あなたのような偽りの天才がいては沢田君に悪影響です」
「……相変わらず意味がわからんな」
「あなたも沢田君のやる事に違和感を覚えているはずです。偽りとは言え、天才に近いものは持っているはずですからね。それなのに、その事を進言するわけでもなく、サポートまでしているそうじゃないですか」
「……そうだな。俺は沢田のサポートをしているぞ」
「ふっ。やはり紛い物など底が知れていますね。綾小路君、あなたは沢田君のそばにいるべきではないです」
軽蔑に似た眼差しを綾小路君に向けると、坂柳さんは俺に視線を戻した。
「……沢田君。あなたも自分の運命を受け入れたのなら、その力を正しく使いましょう。あなたと同じく、生まれながらに力を有した私が手伝います」
「……なんで、俺の手伝いなんてしたいわけ? そっちこそ天才的な頭脳を自分の為に使えばいいじゃないか」
「ふふふ、沢田君。天才というものはね、1人ではその力を完全に発揮する事はできないんです。力を完全に発揮する為には、その頭脳を存分に活用できる器と土台が必要なんです」
「……器と土台?」
「ええ。例えば天才発明家なら、その頭脳で思いついた発明を実現するための道具や資金。そしてそれを世界に発信するスポンサーが必要ですよね? それと同じで、私のような天才的な支配者にはその支配力を存分に振るえる土台と絶大な力を持った器が必要なんです」
「……なるほど。君にとってのその土台はボンゴレファミリーであり、器は俺だと言いたいんだね?」
「ふふ、察しが良くて助かります。……さぁ、一緒に頑張りましょう」
そう言うと、坂柳さんは俺に手を差し伸べて来た。
「……」
だが、俺は全くその手を取る気にはなれなかった。
「悪いけど、その手は取れないかな。俺は今の考えを変える気はないし、大事な相棒の事を紛い物とか言われちゃってるしね」
「……沢田」
「……ふふ。そうですか。まぁいいでしょう」
冷たい笑顔を浮かべながら、坂柳さんは手を引っ込める。
「まず先に、偽りの天才を葬る方が先ですね。沢田君を取り込むのはその後です」
「……」
「綾小路清隆君。近いうちにあなたを潰してあげます」
「……俺を潰せるのか? お前に?」
「もちろんです。あなたのお父様が作り上げた最高傑作を破壊してこそ、悲願も達成できるというものですからね」
「……そうか。そう願いたいものだな」
「ええ。……では、私はこれで失礼しますね」
そう言って微笑むと、坂柳さんは杖をつきながら去って行った……
「……
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