体育祭の後A 〜真なる相棒〜
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ふふっ」
『!』
俺達の様子を見ていた坂柳さんが、ここで急に声に出して笑い始めた。
「その様子だと、あなた達は肝心な事は何一つ教えあっていないんですね? それでよく相棒とか言えたものですよ」
「な! どうしてその事まで」
俺が綾小路君の事を相棒と思っているのは綾小路君以外知らないはず。
「私の手駒達に調べてもらいました。沢田君、あなたのこの学校での交友関係をね」
「! そ、そんな事をどうして」
「どうして? あなたの事をもっと知りたかったからですよ、沢田君」
俺の事を知りたかったって……
一体この子はなんなんだ?
「あ、勘違いしないでくださいね? 私は別に沢田君の事を見下しているわけではありません。むしろ尊敬すらしています。私と同い年で、そこまでの死線を潜り抜けているんですから」
「……俺が何をしてきたか知っているの?」
「ええ、知ってますよ。ユニから聞いていますからね」
「!」
なるほど、ユニから聞いているのか……
いや、それにしてもなんでユニはそんな事をわざわざ話したんだ?
一般人をマフィア関係の事に巻き込む事を嫌っているはずなのに……
「ただ……」
「……ただ?」
「あなたは甘すぎる。世界を支配できるほどの権力を有しているのに、それを使おうともしない。自分より他人を優先して、自分が傷つくのも厭わない自己犠牲の精神を持っている。……そんなあなたでは、あなたの持っているものは全て宝の持ち腐れです」
「! ……何でそんな事言うんだよ」
「私はがっかりしているんです。私と同じで生まれながら突出した才能を有していて、支配者としての器を持っているのにその体たらく。あなたとなら楽しい勝負ができると、この学校に入学する時はワクワクしていたのに」
……という事は、この学校に入学する前から俺の事を知っていたと言う事か?
「だから……私はあなたの事を矯正しようと思うんです。その力を正しい方向で、正しく使う為に」
「! き、矯正?」
「はい。支配者とはどういうものか、力を持つ者がどう生きるべきなのか……私が直々に叩き込んであげましょう。天才であるこの私がね」
(……自分で天才とか言うなんて。相当自分に自信があるのか?)
いや、Aクラスのトップにいるんだし、天才である事は真実なのかもしれない。
「そして……その為には、沢田君の周りに紛い物がいられては困るのですよ」
坂柳さんはそう言うと、再び綾小路君に視線を向けた。
「
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