体育祭当日F 〜死ぬ気の結末〜
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を握っていいの?)
2人の行為に思う事がある者もいるようだが、ツナの頑張りは誰もが理解しているので、さすがにこの場でどうこう言う人物はいなかった。
「……ん?」
その時、堀北がある事に気づく。
「……これ、寝息かしら?」
「……どれどれ」
堀北の気づいた事が何なのかを確認するべく、近くにいた綾小路がツナの口元に耳を近づけた。
すると……
「すぅ〜、すぅ〜」
「……完全に寝てるな」
確かにツナは小さく寝息を立てていた。
すると、須藤が呆れたように口を開いた。
「おいおいまじか? さっきまであんなすごい走りしてて、しかも1位でゴールしたのに、そんなすぐに寝れるか? 普通アドレナリン出まくって、興奮して喜びまくんだろ!」
「……それも出来ないくらい疲れたんじゃないか?」
綾小路のその言葉で、気持ちよさそうに眠っているツナの顔を全員が見つめ始めた。
そしてその時……
「……ぷっw」
『?』
いきなり噴き出した池。そんな池にクラスメイト全員の視線が集中する。
「……ん? あ、いや! 違うんだよ! 沢田をバカにしたわけじゃないんだ!」
全員から視線を向けられて軽蔑されていると勘違いしたのか、池は慌てて弁解を始める。
「実は俺、イトコに年の離れた男の子がいてさ! たまにそいつにあったら遊んでやってんだけど、子供って加減しねぇから全力で遊ぶじゃん? だから午前中で体力使い果たして、昼飯前にいきなり寝ちゃう事がよくあるんだよ。で、その時のいとこの寝顔と今の沢田の寝顔がそっくりだったから、つい笑っちゃったんだ」
「……なるほどね」
池の話を聞いて、再び全員の視線がツナの寝顔に向けられる。
そして、更に数名が笑い始めた。
「うふふっ、確かに子供みたいな寝顔かも! ツナ君も体力とか使いきっちゃったんだろうね♪」
櫛田のその言葉を肯定するように、綾小路がポツリと呟く。
「だなぁ。ぶっ倒れるくらいまで頑張ったんだろうな。……Dクラスの為に」
「ふふふっ♪ 本当にすごいね〜ツナ君は。あ。でも〜、さっきまでは何か凛々しくてカッコいい感じだったのに、いきなりそんな可愛らしい顔になるのは反則だぞ〜♪」
そう言いながら、櫛田はツナの右側のほっぺをツンツンと優しくつついた。
??ポツリ。
その時、ツナの額に頭上から一粒の水滴がこぼれ落ちた。
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