体育祭当日C 〜エースを取り戻せ!〜
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、龍園君は近くにいた小狼君の肩を叩いた。
「こいつが証拠を掴んでくれたんだよ。お前達が怪我させる計画をしている証拠をなぁ。おい、聞かせてやれよ」
「ああ」
龍園君に促され、小狼君は学生証端末を取り出していやらしい笑みを浮かべた。
「俺がDクラスのテント近くを通った時に、偶然聞こえて来たんだ。沢田がその女に「木下を怪我させろ」と命令しているのをな!」
「! はぁ?」
「だから俺は急いで録音したんだ! それがこれだ!」
自信満々にそう言った小狼君は、録音した音声を流し始めた。そして、聞こえて来たのは間違いなく俺達の会話だった。
「……わざとぶつかって怪我をさせるだなんて」
「そういうやり方を選ぶしかない……だろ。普通にやったら勝てない……んだよ」
『!』
聞こえて来たその音声は、テント内で交わした俺と堀北さんの会話だった。
悪意を持って編集してあるせいで、俺が堀北さんに木下さんを怪我させるように仕向けたと思われても仕方ない内容だ。
「確かに私達の声だけど……」
「明らかに編集してあるし、それにこの会話をしたのは2人が接触した後だから」
中身が編集されていて、なおかつ時間がおかしい。こんなものが証拠になるはずがない。
しかし、それを指摘しても龍園君は余裕の笑みを崩さなかった。
「それを証明する証拠はあんのか?」
「今の音声を調べれば、編集した形跡とか分かるでしょう?」
「はっ、したかったらすればいいけどよぉ。それをするには、今回の件を大事にする必要があるぞ? 学校に報告しないといけねぇな。そうなったら……生徒会にもこの件がバレるなぁ?」
「!」
なるほど、堀北さんが生徒会長の妹だって知って、それが弱みになることも分かっていてやっているわけか。
俺が石崎君達にやった事をやり返してるつもりなのか?
「……それは」
「安心しろよ鈴音。俺は慈悲深いからなぁ。DクラスもCクラスも救える方法を教えてやるぜ?」
それも俺が石崎君達に言った事だな。龍園君はあの時の事を相当根に持ってるのかもしれない。
「何……かしら」
「簡単だ。実行犯のお前は100万ポイント、首謀者のパシリは200万ポイントを支払え。Cクラスに対する慰謝料ってわけだ。なぁ木下ぁ。お前もそれだけ貰えたら納得するよな?」
「……」
「おい。納得するよな?」
「! は、はい……」
龍園君の提案に賛同する木下さんだが、明らかに龍園君に怯えてい
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