体育祭当日C 〜エースを取り戻せ!〜
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分からないよ。接触事故は女子の障害物競争で起きたんだぞ? どうやって俺が怪我させるって言うんだ」
「はっ、お前が鈴音に命じたってだけだろうが。簡単な話だ」
薄ら笑いを浮かべながら堂々と言いがかりをぶつけてくる龍園君。
「……とりあえず落ち着け、お前達」
その時、今まで無言だった茶柱先生が話に加わって来た。
「まずは事実確認だ。堀北、木下と接触したのは覚えているな?」
「もちろんです、その時に私も足を捻挫しました」
「そうか。お前同様に木下も足を怪我したそうなんだが、木下はお前がぶつかって来たって言っているんだ」
「! それは違います。彼女が私の名前を何度も呼ぶので、それが気になって私の走るスピード落ちました。そしてそのタイミングで彼女から突っ込んできたんです!」
堀北さんは事実しか言っていないんだろうが、茶柱先生はそれだけでは信用しないようだ。
「……なるほど。しかし、今の話が本当だとしても問題は大きいぞ。木下はお前に脛を強く蹴られたと言っていてな。先ほど木下の怪我の状態を養護教諭に診てもらったが、とても酷い状態だったそうだ。それも、作為的なものを感じるような傷のつき方だとも言っていた」
「そんなバカな……」
当事者の片方が捻挫なのに、そこまで酷い怪我を負うなんて事あるか? いや、あったとしても酷すぎるだろう。
「それでだ。Cクラスとしてはお前と沢田の事を学校に訴えるつもりのようだ」
「なっ!」
「……」
茶柱先生の言葉を楽しそうに聞いている龍園君。
また須藤君の時みたいな方法を取ってきたのか? 無実の罪を着せて、今度は俺達を退学に追い込むつもりなんだろうか。
「……また同じ事を繰り返すの?」
「ああ?」
龍園君の目を見ながらそう言うと、龍園君はこちらを睨んできた。
「須藤君の時と同じようなやり方だよね。今度は上手くいくとでも思っているの?」
「はっ、意味の分からない事を言うな。俺は正義感でお前達を断罪しようとしているだけだ」
何が正義感だ。あったとしても歪んだ正義感だろうが。
「1学期の争いの結末を忘れた? また君達の方から訴えを取り下げる事になるだけだよ」
「はっ! あれは石崎達が勝手にやった事だ。俺にもCクラスにも関係ない」
「……息を吐くように嘘を吐くんだね」
「嘘なんかついてねぇ。俺達はちゃんと証拠を持ってんだからなぁ」
「は? 証拠?」
やってもいないのに、どんな証拠があると言うのか。
すると
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