体育祭当日B 〜パートナーと相棒〜
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走り抜けた。
これで200m走も1位。今までの全個人競技で1位か2位をとっているので、最優秀賞生徒賞の争いには参加できているはずだ。
テントに帰りながら、俺は幸村君に話しかけた。
「幸村君」
「なんだ?」
「今、赤組は白組に負けてるでしょ?」
「そうだな」
「赤組が勝つには、午後の部でどんな結果を出す必要があると思う?」
「ん、そうだな……」
幸村君は考え始める。現在のポイントと、午後の推薦競技で得られるポイントを比べてみて、勝つ為にはどんな結果が必要なのかを考えてくれているのだろう。
「……そうだな。赤組が勝つのはそれほど難しくはない」
「本当?」
「ああ、午後からの4つの推薦競技の内3つを、3学年のどのクラスでも赤組が1位を取れればいい」
「なるほど」
(なら、俺が4つとも1位を取れれば問題ないな)
「じゃあさ、Dクラスが学年別で最下位にならないようにするには?」
「……」
再び考え出す幸村君だが、今度は険しい顔になっていた。
「……それはかなり厳しいな」
「どういう事?」
「Dクラスが最下位を脱却するには、4つの推薦種目でDクラスが1位を取る事が絶対条件だ。つまり、全学年合同のリレーでも1位を取らないといけない」」
「うん」
「だが、あくまでこれは現時点での各クラスの獲得点数を予想して出した答えだ。もし達成したとしても、実際の点数と大きな開きがあったら、それでも最下位を抜け出せない可能性もある」
「……なるほど。わかったよ、ありがとう幸村君」
前提として、4つの推薦競技で1位を取ることは必須条件。でも、もしかしたらそれでも最下位を抜け出せない可能性もあると。
……もしもそうなったとしても、挑戦してみて損する事はない。少なくとも前提条件をクリアしないと話にならないんだ。ダメで元々の精神でやってみよう。
赤組を勝たせて、学年最下位を回避し、最優秀生徒賞を取る。これが俺のベストな結果だ。
これを現実にするには……まず間違いなく死ぬ気モードにならないとだめだろう。競技中にCクラスからの妨害を受けてもいいようにする為にもだ。
一度も成功したことはないけど、それでもやってみせる!
そして、推薦競技は個人競技じゃないから協力してくれる人達が必要だ。須藤君を初めとする、俺と一緒に推薦競技に参加するクラスメイト達の協力が。
その為にも、午後の部が始まる前に須藤君を呼び戻さないといけない。だが今俺が言っても須藤君の
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