体育祭当日A 〜牙を向く悪意〜
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下位という結果で終わってしまった。
競技が終わり、テントに帰ってきた堀北さんに俺は話しかけた。
「堀北さん、大丈夫!?」
「……ええ。少し休めばなんとかなるわ」
そう言いながらも、戻って来てる時の堀北さんは、明らかに足首を庇っているのが分かる歩き方だった。
「足首……痛めちゃったんだね」
「いえ、そんな事は……」
苦しい誤魔化しをする堀北さん。そんな彼女の足首に、ふいに現れた綾小路君が触れてしまった。
「つっ!?」
「……そんな事あるじゃないか」
「勝手に触らないで! 大丈夫よ、我慢して参加するわ」
「堀北さん……でもその足じゃ」
「……大丈夫よ。それに、私が棄権したらDクラスは……」
大丈夫と言って譲らない堀北さん。
その視線はグラウンドにある電光掲示板に向けられていた。
電光掲示板には現在の両組の得点と、学年毎の得点が表示されている。
現在の点数は……赤組2,900点、白組2,950点。
そして、Dクラスは学年の中で……最下位だった。
綱引きや玉入れでの負け、個人競技で得た得点。それらを総合した現時点でのDクラスの得点は、Cクラスに負けているという事だ。
堀北さんの言う通り、今堀北さんが棄権したら得られる得点が減ってしまうから、Dクラスが学年最下位になってしまう可能性が高くなるだろう。
(……このままじゃ、負けてしまうかもしれない)
堀北さんを心配する気持ちと、勝ちたいと言う気持ち。そして龍園君への怒りが混ざり合い、俺の心の中はグチャグチャになってしまっていた。
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