体育祭当日A 〜牙を向く悪意〜
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感じだった。
走るだけの区間で少しは差を開けれないかと思ったが、後ろの2人もかなり足が速いらしくそれほど差は作れなかった。
そして、もうすぐで網潜りに差し掛かる時。急に変な事が起きる。
「……沢田!」
「おい! 沢田ぁ!」
「!?」
後ろにいる2人から名前を呼ばれたのだ。
今は競走中。そして面識のない相手にいきなり名前を呼ばれる事はおかしい。
ちらっと後ろを見てみると、後ろの男子達はニヤニヤしてこちらを見ている。
(なんだ? 何かの作戦か?)
集中力を削いで失速させようとでも思っているのか? と考えた俺は、呼びかけを無視して走り続けた。
しかし、無視をしても呼びかけは止まず、網潜りに入ってもそのままだった。
「待てよ沢田ぁ!」
「お話しようぜ〜?」
網の中を匍匐前進で進みながら、後ろから聞こえてくる呼びかけを無視し続ける。
そして、もうすぐ網から抜られると言う時。
いつの間にか差を詰められていた2人に、両足を掴まれてしまった!
「なっ!?」
「沢田〜そんな焦んなよ?」
「ゆっくり行こうぜ?」
「は、離せ!」
すぐに足を振りほどこうとするも、匍匐前進の状態なので上手く力が入らない。
そして網の目が細かいから、外部から見ても俺が妨害を受けている事を気づかれる可能性も低い。
死ぬ気の炎エネルギーを足に纏わせれば振り解けるかもしれないが、細かい制御がまだ上手く出来ないので、人相手に使えば大怪我を負わせてしまうかもしれない。
なんとか振りほどこうともがいている内に、4位の男子が迫ってきていた。
その男子は俺達の現状を見て驚く。
「何やってんだお前ら!」
「いいから、お前は早く行け。俺らが抑えてるうちに1位を取ってこいや」
「はぁ!? こんなの卑怯だ……」
「うるせぇよ! 龍園君に報告すんぞ!」
「……分かったよ」
龍園君の名が出たと言う事は、この2人はCクラスということか。
(くそ! また龍園君の卑怯な手か!)
「離せ!」
「おお、いいぜ?」
「もうあいつが網を抜けたからな」
4位だった男子が網を抜けたのを確認すると、Cクラスの2人は俺の足を離した。
急いで俺も網を出ようとするが、Cクラスの2人はまだ後ろから声をかけてくる。
「沢田、もう無理だぜ?」
「あい
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