体育祭当日A 〜牙を向く悪意〜
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もいいよ! ……あ、でも一つ条件をつけてもいい?」
「条件?」
一ノ瀬さんは、お願いを聞く代わりに条件を一つ掲示してきた。
「体育祭の後、私のお願いも1つ聞いて欲しいの!」
「一ノ瀬さんも俺にお願いがあるの?」
「うん♪ あ、安心して? 沢田君やDクラスの不利益になるようなお願いじゃないから!」
断る理由はない。お互いに助けあってこその友達だ。
「わかった。その条件を受け入れるよ」
「ほんと? よかった〜♪」
「じゃあ早速やってみよう。またな沢田。何かあったらメールで送る」
「うん、お願いします!」
一ノ瀬さんと神崎君と別れると、もうすぐ休憩時間が終わりそうな時間になっていた。
「もう戻らないと。一応は最悪の事態に備えた対策を打てたな」
?? 第5種目「障害物競走」 ??
テントに戻ると、須藤君が大声を出して皆に喝を入れていた。
「次は障害物競争だ! 不甲斐ない成績を出しやがった奴は全員しばく!」
「いやいや! なんでしばかれなきゃいけないんだよぉ!」
「俺はリーダーだからな。下の連中の尻を叩くのも仕事なんだよ」
須藤君の言い方に怪訝な顔になっている人が何名か見受けられる。しばくとか言われたらそうなっちゃうよなぁ。
(……須藤君、それでは龍園君のやり方と同じだよ)
怒りによる暴走か、無茶苦茶な事を言う須藤君に、池君が恐る恐る質問をした。
「健。参考までに教えてくれ。……何位からが不甲斐ない成績?」
「入賞以外は全部だ!」
「きつすぎる!」
男子障害物競走が始まり、皆次々と競技に挑むが、ほとんどのDクラス男子は須藤君の合格ラインには届く事が出来ていなかった。
「くそっ!」
須藤君は頑張っていたが、対戦相手が良くなったのか2位だったようだ。
そして、俺の出番である最後のグループが走る番になった。
「位置について! よ〜い!」
??パアン!
スターターピストルの音を合図に、俺達は一斉にスタートする。
障害物競走は、平均台・網潜り・ズタ袋という3つの障害を越えながら走る競技だ。
まずは第一の障害物、平均台に挑む。
バランスを保ちながらできるだけ早く平均台を渡り切らないといけないが、俺はなんとか1位で平均台を終えた。
しかし、後ろに2人張り付かれていて、ちょっとのミスで1位を奪われそうな
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