体育祭当日A 〜牙を向く悪意〜
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これまでに龍園君やCクラスにされた事。今日の体育祭でされた事。それらを考えていると、最悪な事態を起こされる可能性が浮かび上がってくるのだ。
(……龍園君は俺だけじゃなく須藤君も狙ってきた。こうなると、やっぱり堀北さんが狙われるのは間違いない。……もしもの時の為に今のうちに手を打たないとまずいかもな)
不安と焦りが募っていくが、ちょうどいい事にこの後は10分間の小休憩だった。この時間を利用しない手はない。
『只今より、10分間の休憩とさせていただきます』
休憩時間が始まると、俺はすぐに白組の陣営の近くに向かった。
目的は白組にいる2人の友達と話をする為だ。
白組の陣地に近づくと、目当ての2人がこっちに近づいているのが見えた。
ちょうどいいので、俺は2人に呼びかける事にした。
「お〜い! 一ノ瀬さん! 神崎君!」
「! あ、沢田く〜ん!」
俺の呼びかけに気づいた一ノ瀬さん達は、俺の方に走って来てくれた。
「沢田君、ちょうど沢田君の様子を見に行こうとしていたの」
「え? そうなの?」
いきなり予想外の事を言われてしまった。
どうして俺の様子を気にしてくれたのだろう。
俺が首を傾げていると、神崎君が口を開いた。
「沢田、Cクラスの奴らに痛めつけられてただろ? その事を一ノ瀬に話したら、沢田の様子を見に行くって言いだしてな」
「そっか。2人ともありがとうね」
「えへへ〜♪ 気にしないでよ、友達だもん!」
「そうだな、友達だからな」
そう言ってにっこりと笑う一ノ瀬さんと。クールに微笑む神崎君。
今は敵チーム同士なのに、そんな風に心配してくれているなんて。
……いい友達を持ったもんだな!
「ありがとう。体は全然平気なんだけど、実は2人に頼みたい事があるんだ」
「はにゃ? 頼みたい事?」
「沢田、一応今の俺達は敵同士なんだぞ。それをふまえての頼みか?」
「うん。赤組と白組の対決には関係ない事なんだけど、どうしてもお願いしたい事があるんだ」
「そうなんだ〜。で、そのお願いって何かな?」
「実はね……」
俺は2人に頼みたい事の全容を話した。
「……ん〜。いいけど、それって私達が掴んだ証拠で告発されたりしたら、白組に不利益にならないかにゃ?」
「大丈夫。体育祭の最中に告発したり、それによって勝敗に影響がでるような事にはしない。約束する」
「……そうか。俺はかまわん。協力しよう」
「私
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