体育祭当日A 〜牙を向く悪意〜
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
か。そんなあんたが立てた作戦で勝てるのか?」
まさか本番当日に異論を唱える人がいるとは。
Aクラス内でしっかりと話わなかったのかな。
Aクラスは葛城君と坂柳さんの2派閥に分かれているし、そうなっていても不思議ではないけど。
かと言って、当日……それも本番前にそんな事を言う理由が分からない。当日に言ったってクラスの成績が下がる可能性が高くなるのに……
Aクラスの派閥争いは、そうだと分かっていても止められないほどに苛烈なものなのだろうか。むしろ坂柳さんは同じクラスの橋本君を潰そうとでも考えているのか?
「……Dクラスの生徒が動揺している。今は内輪揉めなどせず、冷静に競技を進めるべきだ」
「答えになってないんだけど?」
「俺の立てた作戦を疑う気持ちは否定しない。だがここでAクラスの内輪問題が尾を引けば、坂柳の責任が生まれるとは思わなかったのか?」
「……葛城君は何にも見えてない」
橋本君はクスリと笑うと、ようやく決めていた位置で綱を握った。
「とりあえずやろうか。負けるのは嫌だしな」
橋本君に続き、坂柳さん派であろう人達も綱を握っていく。
それを見て俺達も綱を握った。
AD連合の最後尾は須藤君。身長もパワーも申し分ない。そしてその前には葛城君が陣取っている。
この2人が後ろにいれば、そうそう縄が引っ張られる事はないと思うんだけどな。
BC連合は真逆で身長が高い順に並んでいるようだ。最前線にはアルベルト君が陣取っており、その堂々とした立ち姿にはこちらもそう簡単には勝てないと感じてしまう凄みがある。
ちなみに龍園君は真ん中ぐらいに立っている。
きっとこの綱引きでも軍師的な役割に違いない。Bクラスが従うかは別だけど。
??ピイッ!
「行くぞ、おらぁ!」
試合開始のホイッスルとに須藤君が叫ぶ。
その声を合図に、両者は互いに綱を引き始めた。
「オー、エス! オー、エス!」
綱引きの標準的な掛け声と共に、AD連合は勢いよく綱を引いた。
最初こそ両者互角と思えたが、だんだんとBC連合がこちら側に引っ張られる。
「余裕余裕! このまま勝つぜ!」
??ピイッ!
ホイッスルが鳴り、AD連合の勝利が告げられる。
「よっしゃあ!」
勝利の雄叫びを上げる須藤君。
そんな中、Bクラスから冷ややかな目を向
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ