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体育祭準備B
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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ   作:コーラを愛する弁当屋さん

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体育祭準備B

 

 あと一週間で10月になる頃。

 体育祭に向けてのDクラスの練習は順調に進んでいた。

 

 そんなある日の昼休み、俺は1人で屋上に来ていた。

 

「……」

 

 屋上のフェンス越しに、体育祭当日の会場にもなるグラウンドを見下ろすと、グラウンドにはクラスメイトの女子達と、自主練に励む桔梗ちゃんが見える。

 

 桔梗ちゃん……君はどうして、干支試験で龍園君に自分が優待者である事を話したの?

 

 それに、カルメンが聞いた『二学期になったら、約束通り私の手伝いをしてくれるんだよね?』って言葉。

 

 一体龍園君に何を頼むつもりなの?

 

 ……いや、本当はなんとなくは分かっているんだ。それを認めたくないだけで。

 

 ……俺では君の力にはなってあげられないのかな。

 

「……はぁ〜」

 

 グラウンドに背を向け、ため息を吐きながらフェンスに寄りかかる。

 

「……どうしようかなぁ」

「……どうしたんだ?」

「!」

 

 独り言を呟くと、誰かに声をかけられた。

 ……綾小路君だ。

 

「あ、綾小路君。あの〜、その、ね」

「……櫛田のことだろ」

「! え、もしかして綾小路君も気付いてる?」

「まあな」

 

 頷いた綾小路君は、俺と同じようにフェンスに寄りかかった。

 

「……干支試験の辰グループ。結果は1だった。だが、この結果は普通なら起こり得ない」

「うん。やっぱりそうだよね」

 

 さすがは綾小路君。俺はカルメンから聞かされて気付いたのに、綾小路君は自力でその疑惑に辿り着いていたようだ。

 

「沢田は、辰グループを結果1に導いたのは誰だと思ってる?」

「……龍園君」

「ああ。ほぼ確実に、結果1になったのは龍園の作戦だろう」

「うん。でも、その作戦を成立させるには、優待者が分からないといけない」

「龍園はなぜ辰グループの優待者が分かったのか。それは……」

「……優待者本人が教えたから、だろうね」

「だな。その可能性が一番高い。確証はないが、間違い無いと思っていいだろうな」


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