体育祭準備A
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「ううん、俺達はパートナーだもんね」
「ふふ、そうね」
堀北さんは俺に微笑みかけると、意を決して平田君とのペア練に励む小野寺さんの元へ向かった。
「……平田君、少し小野寺さんを借りてもいいかしら」
「え? ……うん、もちろん」
平田君が2人から離れ、堀北さんと小野寺さんが向かい合う形になった。
「……なによ。今は男女ペアの時間よ」
「……(ギュッ)」
堀北さんは拳を握りしめると、深く深く頭を下げた。
「ごめんなさい」
「え? ……な、なによ急に」
「私が間違えてたわ。でもお願い、あと一回だけチャンスを頂戴」
「……どうせ同じでしょ?」
「いいえ。今度は私が貴女に合わせるわ」
「は? 本気?」
「もちろんよ。水泳部で優秀なスプリンターである貴女。そんな小野寺さんの足を私は信じる。私も一生懸命ついて行くから、貴女の力も貸してちょうだい!」
「……」
堀北さんの気持ちが伝わったのか、小野寺さんは最後に一回一緒に走ってくれるそうだ。
「……本当に全力で走るからね」
「ええ。私は全力でついて行くわ」
「……わかった」
スタート地点に立つ2人。
「いちについて〜、よーい! ドン!」
『っ!』
平田君の合図で走り出す2人。
「いち!」
「に!」
「いち!」
「に!」
今までの走りが嘘みたいなリズムぴったりの快走だ。
どんどんと加速していき、一度も減速することなく2人はゴールにたどり着いた。
「……! すごいよ2人とも!」
『!』
平田君からタイムを聞かされた2人は、向かい合って握手を交わしたのだった。
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