体育祭準備A
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「堀北さん、紐結ぶね」
「……ええ」
2人の足を紐で結びながら、堀北さんに話しかける。
「……ねぇ堀北さん。ちょっと提案があるんだけどさ」
「……何?」
「2回連続で走ってみない? 1回目は堀北さんのスピードに俺が合わせる。逆に、2回目は堀北さんが俺に合わせてよ」
「……ええ。わかったわ」
堀北さんの了解を得たので、近くにいた綾小路君にタイム測定をお願いする。
「綾小路君、俺達二回走るからさ。2回タイム計測してくれる?」
「わかった」
「ありがとう」
そして、綾小路君にストップウォッチを2個手渡してから俺達はスタートラインに着いた。
「堀北さんの走りたいように走ってね」
「ええ……」
「いくよ? よ〜い。どん!」
??ピッ。
??ダッ!
ストップウォッチに音と共に、俺達は走り出した。
1回目はひたすら堀北さんに合わせるんだ。
堀北さんが走りやすいように、リズムを合わせる。
「……!」
上手い事行っているのか、堀北さんの顔が若干楽しそうに見えた。
そしてゴール。
「はぁ……はぁ……」
全力で走ったからか息が乱れているが、堀北さんは確かな手応えを感じてるようだ。
「……堀北さん、もう一回だよ」
「はぁ……ええ」
息を整えながらスタート地点に戻り、再び走る準備をする。
(……ここで大事なのは、堀北さんがギリギリ着いて行けなさそうなスピードで走る事だ。1回目で堀北さんの全力疾走は見た。後はそれよりも若干速いくらいで……)
「行くよ?」
「ええ」
「よーい……ドンっ!
??ピッ。
再びスタートした俺達。
「……! ち、ちょっ!」
「頑張って合わせてみて!」
「そ、そんな事言われても、このスピードじゃ……」
??ピッ。
結局、2回目はほとんど俺が堀北さんを引きずっている様な感じでのゴールとなった。
「はぁっ……はぁっ……」
倒れない様にするので精一杯だったのだろう。一回目より確実に堀北さんの息は上がっていた。
堀北さんと繋いだ紐を外し、堀北さんと共にグラウンドの周りを囲んでいる芝に座り込んだ。
「……」
「……どうだった?」
「……倒れない様にするので精一杯だったわ」
「そっか……」
「よく分
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