体育祭準備A
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本と獄寺君は握力測定のコツを教えてくれた。
「ツナ、握力を上げるコツを教えてやるよ!」
「おい山本! それは俺の役目だぞ!」
「じゃあ2人で教えてあげればいいじゃんか」
「あ、ありがとう」
そして授業が始まるわけだが……山本の教えはこうだった。
「手を体の横に置いてな。ん〜っ! って力を込めんだよ」
「……うん。それは今もやってるんだけど」
「そうか? じゃあ声を出しながらやってみるのはどうよ?」
……そして獄寺君は……
「いいですか、10代目。握力の強さは単純に腕の太さに比例するものではないんすよ。もちろん無関係ではないですが、大切なのは前腕にある腕橈骨筋、橈側手根屈筋といった筋肉の束です。仕組みとしては、前腕の筋肉が収縮して腱を引っ張ることで指が曲がるため、この束を鍛えることで握力が向上するわけです。つまり、ある程度の筋肉量があれば、鍛え方次第で100キロを越えることも可能なんです!」
「……う、うん。えっと……つまり?」
「つまり、ここの筋肉を意識して握り込んでみてください!」
獄寺君は俺の腕を数カ所触って注意すべき場所を教えてくれた。
ん〜。昔泳ぎを教えてもらった時もなんだけど、山本はセンスでやってるからフワフワした説明しかしてもらえないし。逆に獄寺君は頭が良すぎて論理的な説明ばかりで俺の頭では理解ができないものだった。
しかしだ。あれから一年経ち、俺の頭脳も向上しているはず。獄寺君や山本の教えを思い出しながらやってみれば、案外いい結果が出るかもしれないぞ。
(須藤君と一緒で全競技に参加するわけだし、ヘボい結果は出すわけにはいかないしな)
「……よし、行きます!」
もう一度バーを握り直し、腕に意識を集中する。
(大事なのは前腕。そこに意識を集中して……ん〜っ!)
??ギュっ!
??ピピッ!
測定終了のアラームが鳴り、モニターを確認すると……そこには驚きの結果が表示されていた。
「え!? 75.5!?」
「おおっ! ツナもやるじゃねぇか!」
「すごいよ、沢田君!」
須藤君レベルは無理だったが、過去最高記録を叩き出す事に成功した。
これは2人のアドバイスと、今までのトレーニングがきちんと結果として出たという事だろう。
「おおお……はい、綾小路君」
「……ああ」
次の綾小路君に測定器を渡しながら、俺は獄寺君と山本に感謝した。
「……60.5だな」
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