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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
体育祭準備@
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「いい加減にしろよ篠原。おまえらのせいで負けたら責任とれんのかよ。あ?」

「……それは……っ」  

 

 体育祭において大事なのは運動能力。だから運動が得意な人の意見は強い。

 

 Dクラス一の運動能力を誇る須藤君にそう言われては、反論なんてできないだろう。

 

 篠原さんが劣勢になった事で、クラスの雰囲気はどんよりとし始める。

 その空気に、堀北さんがトドメの一言を放った。

 

「全く面倒ね、頭の悪い人と話すのは」

「っ、堀北さん!」

「!」

 

 堀北さんの言いように思わず口を挟んでしまった俺。

 堀北さんも篠原さんもいきなり割り込まれてキョトンとしている。

 

「……沢田君、何かしら?」

「……あの、堀北さん。今のは良くないよ」

「どうして? 本当の事じゃない」

「……」

 

 悪びれない堀北さんにキツイ視線を向ける篠原さん。

 

 堀北さんがコミュニケーションが苦手なのは分かってたけど、あそこまでストレートなのは止めざるを得ないよ。

 

「堀北さん。今回の体育祭、クラスメイトと険悪になっていてはだめだよ」

「? どうして? 今回の試験で大事なのは各自の運動能力でしょう」

「それは大前提だけどさ……一番大事なのは団結力だと思うんだよ」

「……団結力?」

 

 クラス中からの視線を受けながら、俺は自分の思いを堀北さんに告げる。

 

「そう。今回の体育祭、勝ちに行く為にはどうしたって誰かに我慢を強いらないといけないと思う。でもさ、だからこそ全員の気持ちを一つにするべきじゃないのかな」

「……」

「『クラスの勝利の為に、全員で今回の体育祭に勝ちに行く』。そういう考え方をしないと、クラスとしてまとまる事ができずに、大事なところで空中分解しちゃうよ」

「……そう、ね」

 

 堀北さんは少し悲しそうな顔をしながら、俺の言葉に頷いてくれた。

 

「分かってくれてありがとう。でもさっきまでの意見のぶつけ合いは大事な事だと思う。そうする事で、全員が納得して勝つ為の最善を選択する事ができるんじゃないかな」

「うん、僕も沢田君に賛成だよ」

 

 平田君が俺に賛同してくれた。

 

「クラスメイト同士で貶し合うんじゃなくてさ。純粋に体育祭における自分の考えを言い合おうよ」

「ええ。分かったわ」

「うん。じゃあ〜……あ、軽井沢さん!」

「え!? 私!?」

 

 急に声をかけられて、慌てる軽井沢さん。

 

(いきなりごめん、でも、今こそ君の力を貸してくれ!)


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