体育祭準備@
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
それはもちろんそう。俺と須藤君で絶対に勝てる保証なんてないもんな。
「であるなら、運動神経が良い人には優先的に好きな推薦競技に参加させるべきなのはもちろんだけど、全員参加競技も同様に勝つ為の最善の組み合わせで戦うべきよ。簡単に言えば、速い人と遅い人を組み合わせるべきね」
なるほど。足の速い人と遅い人を組み合わせる事で、同じ組み合わせに速い人が被らなくなる。それでなるべく沢山の勝ちを拾えるようにしようというわけか。
確かにそれなら勝つ確率は上がる。でも、これだと反対意見も出やすいと思う。堀北さんの提案は運動が苦手な人にとっては非情な考えに思えるだろうから。
せっかくまとまりかけていた場を崩すような堀北さんの発言。
でも、俺はこういう意見が大事だと思う。今後のDクラスの為にも、全員で意見をぶつけ合う事が必要だと思うんだ。
「ちょっと待って。その作戦ってさ、運動苦手な子達が勝つ可能性を下げるって事でしょ?」
最初に異論を唱えたのは、篠原さんという女子だった。
「堀北さん、私は納得できないんだけど? 運動が苦手なのに強い人と勝負したら絶対に勝てないよ。特典だって欲しいし」
「仕方がないわね。それがクラスの為なんだもの」
おおう。そこまでストレートに言わなくても。
しかし、篠原さんも負けてはいない。
「クラスの為なのは分かるよ。でも成績が悪いとPPだって引かれちゃうのよ?」
「クラスとして勝てば、その分大きく返って来る。それが不満なのかしら」
「入賞したら貰えるテストの点数は大きいし、一部のクラスメイトにだけ特典を諦めさせるのは不公平じゃない?」
「そう考えたい気持ちは分かるわ。けれど、それもおかしな話なのよ。最初からそんな特典の点数に頼らなくてもいいように、普段からきちんと勉強しておけばいいだけのこと。それに3位まで可能性があるのなら入賞が無くなっても問題ないはずよ。というか元々あなたの運動能力で入賞出来るほど簡単な競技は無いんじゃない?」
(堀北さ〜ん。意見をぶつけ合うとは言っても、喧嘩腰である必要はないですよ〜)
どちらも譲らない言い合いが続く。
「誰もが堀北さんみたいに頭がいいわけじゃないんだよ? 一括りにまとめようとしないでよ」
「勉強は日々の積み重ね。それを疎かにしておいて、言い訳しないでほしいわね」
他のクラスメイトは、堀北派と篠原派で分かれて野次を飛ばしあっている。
なんかすごい仲悪い感じだけど、これが今のDクラスの現状なんだ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ