体育祭準備@
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ということでしょうか」
Cクラスの背中が見えなくなると、1人の生徒がポツリと呟いた。
声の主は、池君がさっき指差していた銀髪の小柄な女の子だった。
Dクラス全員の視線が女の子に集中すると、葛城君が女の子の事を紹介してくれた。
「彼女は坂柳有栖。体が不自由なために椅子に座ってもらっているんだ」
(! あの子が坂柳さんか……)
一ノ瀬さんから聞いた、Aクラスのもう1人のリーダーだ。
(なるほど、だからバカンスは欠席したのか)
坂柳さんにとっては、無人島試験には命の危険もあるからという学校側の配慮だろう。
葛城君の紹介を受けて、坂柳さんは微笑んだ。
そして、ゆっくりと口を開いた。
「私は残念ながら戦力としてお役に立てません。全ての競技において不戦敗となります。AクラスにもDクラスにもご迷惑をおかけするでしょう。そのことについて、まず最初に謝らせて下さい」
「謝る必要なんてないよ。誰もその点を追及するつもりはないから」
頭を下げる坂柳さんに、平田君が優しく微笑みながらそう言った。
平田君の言う通り、誰1人不満を漏らす者はいなかった。
「学校も容赦ねぇなぁ。身体が不自由な奴はペナルティーを免除してくれたっていいのによ」
「坂柳さん、気にしないでいいからね」
「皆さん、ありがとうございます」
坂柳さんの印象は、礼儀正しいお嬢様って感じだ。
一ノ瀬さんは革新的だと言っていたけど、今のところそんな感じはしてこないな……いや、ちょっと待て?
よくよくAクラスを見てみると、葛城君と坂柳さんで完全に二分する様に分かれている。
両者の間には幅2メートルくらいの見えない壁があるみたいだ。
これがAクラス内にある2大派閥か。
そして葛城君の方が人数が少ない。Aクラスの3分の2が坂柳派という所だろうか。バカンス中のAクラスの失敗が影響しているのかもしれないけど、坂柳さんはバカンスに参加していないはず。それなのに大多数を従えているという事は、それだけのカリスマ性でもあるのかもしれない。
皆が坂柳さんに注目している中、平田君と葛城君はリーダー同士の話し合いを続けていた。
「AとDの協力関係についてだが、俺は互いの邪魔をしないという契約を結ぶだけでいいと思っている。Dクラスとしては俺の考えに賛同してもらえるか?」
「うん。Dクラスとしてもそれで構わないよ」
「よし。とはいえ、一部の団体競技は協力が
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