夏休み最後の5日間SS、そのA
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量で同じ目標を持ってくれてる人だって感じるからかな、俺は1人じゃないって思えるんだよね」
「……」
これは俺の本心からの言葉だ。
『カッコつけんなツナ、お前はヒーロになんてなれねー男なんだぞ。皆を過去に返すとか、敵を倒す為に修行に耐えるとか、そんなカッコつけた理屈はお前らしくねーんだ。あの時の気持ちはもっとシンプルだったはずだぞ』
昔、未来で初めてリングに死ぬ気の炎を灯した時にリボーンに言われた言葉。
それは今でも覚えているくらい、俺の中で大切なモノになっている。
俺はヒーローにはなれないし、ヒーローの様なカッコいい行動も出来ない。だけど、誰かの為になら力を発揮する事はできるんだ。
「熱量は多いんだけど冷静沈着で、そんな君がいるって分かってるから、俺も堂々と行動していけるんだよ」
「……」
「それにさ、俺がクラスの役に立ててるとしても、元を正せば堀北さんが一緒にAクラスを目指そうって言ってくれたからだし。それだけでも相当助かってるよ」
「……沢田君」
「だからさ、そんな事気にしないでよ。俺達はパートナーじゃないか。2人で同じ目標を目指して頑張ってるんだし、どちらの方が役に立ったとか関係ないよ」
「……そうね。ごめんなさい、自分に嫌気が差して悩んでいたのかもしれないわ」
「ははは、まぁ悩むのは学生の特権って言うし、それがいい方向に向かうならいいと思うよ。でも、今回のバカンスでの自分を蔑む必要はないからね」
「……ありがとう」
俺の気持ちが伝わったのか、堀北さんは微笑んでくれた。
その後、俺が水の残りでシンクに残った洗剤を流していると、ふいに堀北さんが質問をしてきた。
「……そういえば、どうして洗剤を使えば手が抜けるって分かったの?」
「え? ああ、小さい頃に俺もやった事があってさ。その時に、母さんが同じ方法で手を引き抜いてくれたのを覚えてたんだよ」
「そう……ちなみに、どうして水筒に手が嵌まったの?」
「その時に持ってた水筒が、当時に流行ってたロボットアニメのやつでさ。形が主人公のロボットの腕に似ているから、ロボットパンチごっこをしようとして、手を入れちゃったんだと思う」
昔話をしながら当時の事を思い出す。
あの時は俺大泣きしたんだっけ……
「男の子って感じの理由ね」
「はは、そうだよね。でも懐かしいな〜。こうやって水筒に手を入れてさ、ロケットパーンチってやってたなぁ〜」
懐かしさに思わず堀北さんの水筒に手を入れてしまった俺。
しかし、すぐにその事を後悔する事になる……
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